三菱自動車、変わりえない「隠蔽体質」の末路 燃費試験で不正発覚、対象は62.5万台に

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――部長1人による不正か、もっと上の社員が絡んでいるのか?

横幕:まだ確認が取れていない。

 日産自動車の「デイズ」と志賀俊之代表取締役(2013年6月当時)。同社の影響は三菱自動車より深刻なものだ

――業績への影響は?

相川:まだ手がつけられない状況。どこまで問題が広がるか、全貌が見えていない。これからの作業になる。

――ユーザーに向けて一言。

相川:本当に申し訳ないと思っています。

――エンジン技術について他社より遅れ、焦りを感じていたのか?

中尾:そういったことはない。今の軽自動車のエンジンはそんなに古いエンジンではない。ただ、なぜ不正を行ったのかということについては徹底的に調べる必要がある。

排ガス値は4つ星を確保

――燃費だけでなく排出ガスについても影響すると思うが。

中尾:燃費とともに試験をやっている。排ガスの値については4つ星レベルを確保できている。そこまで影響は出てこない。いずれにせよ国土交通省に結果を報告する。

――内部告発でなく、日産から指摘されたことについては?

相川:現時点でなぜ内部告発がなかったのか、何とも申し上げられない。

――三菱自動車の体質は何も変わっていない。こういう体質はもう抜けないのでは?

相川:そういう見方があるのは重々承知している。(リコール隠しが発覚した)2000年以降、少しずつ、石垣を積み重ねるように改善をしてきたが、やはり、全社員にコンプライアンス意識を徹底することの難しさを私自身感じている。非常に無念でもあり、忸怩たる思いだ。

宮本 夏実 東洋経済 記者

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みやもと なつみ / Natsumi Miyamoto

自動車メーカー、部品会社を担当

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