焦点は“コンプガチャ後”の戦略 グリー、DeNAの正念場

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 問われるゲーム性 新たな競合が参入

このような指摘を受け、課金手法の改善も模索されている。グリーは「東京ゲームショウ2012」で、主流のカードをそろえるゲームばかりではなく、レーシングゲームなどを披露。スクウェア・エニックスから転職した名物プロデューサーが、専用ゲーム機並みの数億円の開発費をかけるプロジェクトも発表した。ただ、DeNAの小林賢治取締役は「開発費は意志を持って抑えるべき。マリオが3Dになったからといって、面白くなったわけではない」とし、開発について両社の考えは異なる。前出の荒木アナリストは「射幸性を落とした後は、ソーシャルゲームは本当に面白いのか、ゲーム性が問われる」とも指摘する。

グリー、DeNAが急成長のひずみを見つめ直す中で、新たな競合も出現し始めた。NTTドコモは決済手数料を“タダ”にするソーシャルゲーム・プラットフォームへの進出を発表。ユーザー数が世界6500万人を突破した「LINE」(NHNJapanが運営)は、「ガチャやアイテム奪取など、攻撃的ではないゲームで戦う」(森川亮社長)。

日本で数少ない成長産業といえるソーシャルゲーム。業界トップ2社は高成長路線を保ちながら、コンプガチャの轍を踏まぬよう、これまで以上に社会からの要請に応える必要がある。ジレンマとの格闘の先に、新しい展望が描けるはずだ。

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(本誌:二階堂遼馬、前田佳子、筑紫祐二/高橋志津子 撮影:今井康一(グリー田中良和社長、DeNA守安功社長)、山内信也(コナミの「ドラゴンコレクション」 =週刊東洋経済2012年10月13日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

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