焦点は“コンプガチャ後”の戦略 グリー、DeNAの正念場

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“新ガチャ”に根強い懸念 自主規制には限界も

だがこの「ボックスガチャ」や「パッケージガチャ」には批判がある。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の荒木正人シニアアナリストは「希少性の高くないカードを引けば引くほど、希少性の高いカードの獲得確率が高くなるため、射幸性が引き上がる可能性がある」と指摘。ある30代の男性ユーザーは「絶対にレアアイテムが獲得できるという動機から、1回5万~10万円程度で終わったコンプガチャ以上におカネをつぎ込む人もいる」と打ち明ける。

新しいガチャの問題はすでに表面化している。国民生活センター相談情報部には未成年者を含むユーザーから、「カード合わせは禁止になったが似たような仕組みがある」「当たりがまったく出ない。射幸性を改めてほしい」との相談が続出。消費者庁のインターネット消費者取引連絡会に出席する、ECネットワークの原田由里理事は、「『100%レアアイテムゲット』などの表示があり、高額請求被害の火種は残る」。消費者庁も「法に抵触しなくとも、倫理上問題がないとは言えない」(片桐課長)とする。ガチャの相談件数は減っているが(図・下段)、相談件数は再度増えかねない状況だ。

両社も手をこまねいているわけではない。今年3月にはプラットフォーム6社による連絡協議会を設置。4月に未成年の利用限度額、5月に「コンプリートガチャガイドライン」を策定した。10月中にもコンピュータエンターテインメント協会(CESA)などを巻き込んで、ソーシャルゲーム利用環境整備協議会(仮称)の設立を目指している。

ただこうした自主規制を設けることは、収益を削る苦渋の決断でもある。当然“不満分子”も生まれる。

 

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