局地的ヒット狙うグリコ・ポッキーの挑戦
多品種少量生産が求められてきた背景には、菓子業界の競争激化がある。もともと競争の激しい業界だが、最近は小売り各社が手ごろな価格の自主企画(プライベートブランド、PB)商品の品ぞろえを大幅に強化。「PB製品の(品質)レベルが上がってきている」(同社)と、菓子メーカーは危機感を募らせる。
消費者の嗜好が多様化し、爆発的なヒット商品が生まれにくくなっている菓子業界。しかし、時として「局地的なヒット」が生まれ、売り上げが急激に伸びることがある。江崎グリコも昨11年度、震災後の備蓄需要をうけて「ビスコ」保存缶の売上高が約10倍に伸長。これが貢献し、ビスコ群の売り上げは前年比1.5倍増の50億円に達した(11年度の連結売上高は2899億円)。ビスコも1933年に発売されたロングセラー商品だが、「保存缶」などの売り方の工夫によっては、売り上げが急伸する可能性を見せつけた。
ポッキー、プリッツでも同じ方程式を確立できるか。グリコの新たな挑戦だ。
(平松 さわみ =東洋経済オンライン)
タイトル横写真は今年4月、東京駅地下の「東京お菓子ランド」内にオープンした「ぐりこ・や Kitchen」での販売の様子 撮影:尾形 文繁
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