カラオケ機器大手が食中毒検査に参入するワケ
カラオケ機器最大手の第一興商が、誰でも簡単に短時間で安価に、食中毒の原因となる細菌の検査を行える一般生菌用検査機のレンタル事業に10月から参入する。10月3~5日に開催される「食品開発展2012」(東京ビッグサイト、東京都江東区)でそのベールを脱ぐ。
第一興商がレンタルを開始するのは「Fst GAAD(ファーストガード、=下写真=、タイトル横写真は消耗品)」で、食品衛生モニター「GAAD」シリーズの第1弾となる。1台当たりのレンタル価格として月額2万円のほか、消耗品代(検査1回につき250~350円以下)を含めても、既存の細菌検査機器に比べてランニングコストは安価。レンタル先としては、総菜や弁当などの工場のほか、大手外食チェーンのセントラルキッチンなどを想定。同社では、今2013年3月期のレンタル導入目標として1000台程度を見込んでいる。
(第一興商がレンタルを開始する「ファーストガード」)
ファーストガードはランニングコストの安さに加え、既存の検査機器に比べて格段に短時間で検査が済むことも大きな特長。通常の食中毒検査(細菌検査)では、菌の培養に加え、測定自体に長時間を要することから、結果判明までに1~2日程度はかかるという。ところが、ファーストガードでは菌の長時間培養などの事前処理が不要なこともあり、検査時間はわずか3時間程度。従来は食中毒が実際に発生してから細菌検査を行うことが多かったのが、ファーストガードを設置すれば、出荷前に検査を終えたり、出荷後であっても最終消費者に提供する前に回収したりするなどの時間的余裕が確保できそうだ。