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「パナマ文書」流出させた弁護士事務所の正体 共同創設者の一人は小説家としても成功

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法律サービスと金融サービスは、パナマ経済の要。それだけに、パナマ文書の流出は、この国の財界人たちを震え上がらせている。

パナマ弁護士会はモサック・フォンセカを擁護するともに、文書流出がパナマという国に対する誹謗中傷の道具になっているという。「モサック・フォンセカはひどい打撃を受けた。この国のすべての弁護士と、パナマ全体もだ」と、ホセ・アルベルト・アルバレス弁護士会長は語る。

海運の要衝からオフショア金融の中心へ

モサック・フォンセカが拡大した時期は、パナマが国際的なオフショア金融センターとして台頭した時期と一致する。1970〜1980年代、国境を超えた資金の流れが拡大し、そうした資金を「かくまう」技術を持つ弁護士や会計士の需要が高まった。パナマはその波に乗る準備が整っていた。

さらに1990年代初め以降、貿易と海運の要衝であることが、パナマのオフショア金融センターとしての魅力を一段と高めた。多くの商船が税金の安いパナマ籍を取得し、パナマ旗をはためかせて世界を航行した。

モサック・フォンセカは攻撃的かつ素早い対応で知られ、さまざまな規制改革にも迅速に対応できることで評判を高めた。とはいえ、パナマには、同じようなサービスを提供するもっと大きな法律事務所が複数ある。「パナマの大手法律事務所はみな、同じようなサービスを提供している」と、パナマの日刊紙ラ・プレンサの発行主ロベルト・アイゼンマンは語る。

専門家によると、オフショア金融センターを利用した隠し資産は、世界で数兆ドルにのぼり、世界各国の税収を毎年2000億ドル減らしている可能性がある。モサック・フォンセカは、そのためのサービスを提供する無数の法律事務所の一つに過ぎない。

モサック・フォンセカの元スタッフらには、事務所内は規律正しく、経営陣は倫理的な業務を遂行しているように見えたという。また、モサックもフォンセカもコンプライアンス(法令遵守)に厳しく、ほとんどの業務は詳細な手順が決まっていたという。「とても細かいルールがたくさんあった」と、2011〜2013年に勤務していたというミレイディ・カスティージョは語る。

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【パナマのコンプライアンスの悲惨な現状】

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