【産業天気図・自動車】北米など海外市場の拡大が牽引し、自動車業界は12年度前後半とも「晴れ」の予報
12年4月~12年9月 | 12年10月~13年3月 |
自動車業界は12年度の前後半とも「晴れ」となりそうだ。北米やASEANを中心に海外市場の拡大が牽引役となる。さらに日系メーカーは日産自動車「アルティマ」、ホンダ「アコード」など、主力車種のモデルチェンジの時期に入っており、新車効果が世界シェア挽回への追い風となりそうだ。
日系メーカーの生産は、依然高水準の状況にある。東日本大震災やタイ洪水の影響が大きかったトヨタ自動車とホンダの7月の世界生産を見ると、トヨタが前年同月比28.6%増、ホンダ同67%増と、震災からの挽回局面が続いている。今後は9月にもエコカー補助金が終了する国内で減速が見込まれるものの、北米の市場回復、ASEAN市場の拡大を中心に、海外生産・販売が高水準で推移しそう。世界最大市場である中国の減速は懸念材料だが、大きな崩れはない見通し。
今期、特に業績回復のドライバーとなるのが、北米市場の回復だ。北米は7月も年率換算で1410万台(前年同月比18%増)と堅調に推移。その中で日系各社の市場シェアはトヨタ14.3%(前年同月は12.3%)、日産8.5%(同8%)、ホンダ10.1%(同7.6%)と順調に回復している。トヨタ「カムリ」、日産「アルティマ」などの新車効果に加え、ガソリン高の影響で、燃費性能の高い日本車が見直されている側面がある。さらにこれまで北米でシェアを伸ばしてきた韓国の現代自動車が、モデルチェンジの端境期で伸び率が鈍化している要因もある。
12年度下期は新車販売の動向が各社の業績を左右しそう。特にその傾向が強いのが、日産とホンダだ。日産は6月発売の「アルティマ」のほか、「ノート」「シルフィ」など世界戦略車の投入が続く。そしてホンダは9月、主力車「アコード」を北米に投入する。両社とも下期にもう一段の業績回復を見込んでおり、その達成はひとえに新車動向がカギを握っている。
(並木 厚憲 =東洋経済オンライン )
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