ホットプレート市場に新星、鍋調理もできるおトク感で人気
タイガー魔法瓶と象印マホービンが不動のツートップを占める難攻不落の市場--。家電メーカーにそう見なされていたホットプレート市場で、久々にヒット商品が登場した。パナソニックが6月に発売した「IHホットプレート」だ。店頭実勢価格は2万~3万円台と、競合他社品より1万円以上高い。にもかかわらず、8月末時点の販売台数は4万台と社内計画の4倍に達する売れ行きという。
従来機種の多くが採用するシーズヒーター方式でなく、IHヒーター方式を採用。プレート裏面には満遍なく発熱体が圧入されており、高温を広範囲で保てる。これにより温度ムラをなくし、焼き上がりをほぼ均一にした。そのデザインもユニークだ。長方形のIHヒーターの上にプレートを置く構造で、プレートを外せばIH調理器になる。対応の鍋を使えば鍋物や揚げ物もできる。ホットプレートといえば年数回のホームパーティ以外は棚にしまい込んでいる家庭も多いが、日常の調理にも活用できるという「おトク感」で消費不況下の主婦層を引きつけた。
パナソニックがホットプレートの新機種を発売するのは15年ぶり。2強メーカーの牙城で、差別化が難しい分野だったという。ホットプレートもIH調理器も成熟市場だが、「取り合わせの妙」で人気を博している。
(杉本りうこ =週刊東洋経済)
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