誰もが副業で幸せに稼ぐ「才能」を持っている 「好きなこと」の中にこそ副収入のタネ

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しかし、ある1冊の本との出会い、大きく価値観が変わってしまった。『さあ、才能に目覚めよう』(マーカス・バッキンガム+ドナルド・O.クリフトン著、田口俊樹訳、日本経済新聞出版社)という本である。この本のなかで才能研究の大家であるマーカス・バッキンガム氏は、才能についてこう定義していたのだ。「才能とは、無自覚に繰り返される思考・感情・行動のパターンである」と。

わかりやすい言葉で言うと、私たちが「半自動的にやってしまうこと」だ。無意識の癖にも近い。私はこの定義を読んだときに、衝撃を受けた。自分の持っていた才能の概念とあまりにもかけ離れていたからだ。

そして、なぜ多くの人たちが自分の才能に気づけないのか、その謎が解けた気がした。恋は盲目という言葉があるが、才能もまた盲目。半自動的に考えたり、当たり前のようにやってしまったりするために、本人にはそれが才能だという自覚がないのだ。ということは、つまり、私たちは気づいていないだけで、誰もが固有の才能を持っているということになるのではないか。

好きで好きで仕方ないから

前回のコラムでは、「普通の人」がマイクロ起業家として稼げるようになった実例を紹介したが、どのケースも各人の才能がいかんなく発揮されている。

たとえば、パソコンやスマホアプリ、お勧めガジェットをブログに投稿していたら、雑誌社から取材の依頼が来た男性会社員のケース。彼はつねに最新のガジェットにアンテナを張り、お気に入りを発見するのが大好きなのだ。好きだからこそ、誰に言われたからでもなくSNSに情報を発信しているのである。

趣味で綴っていたワインブログがワイン専門誌の目に止まりコラムライターの仕事を得た女性も、ワインが好きで好きで仕方ないのだ。好きが高じて、今では月収30万円のマイクロ起業家へと転身してしまった。

好きだからこそ、何回も繰り返してしまうもの。人からすると大変そうに見えても、本人は楽しいから努力することも苦にならずにできてしまうこと。1度失敗しても、悔しさからまた挑戦して、乗り越えてきた体験。何度挫折しても、諦められなくて、細々とでもこれまでずっと続けてきたこと。

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