富士通の新中計目標は12年3月期に営業利益2500億円

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富士通の新中計目標は12年3月期に営業利益2500億円

富士通は、2012年3月期に過去最高益となる2500億円の営業利益達成を目標にした新中期経営計画を策定した。10年3月期の会社計画は売上高4兆8000億円、営業利益800億円、最終利益200億円の計画だ。一年間に事業ベースで600億円ずつ営業増益にし、HDD事業譲渡や今期200億円も営業利益を圧迫している年金費用の負担減などで補う計画だ。

08年6月に就任した野副州旦社長は、管理部門などを中心にキャリアを積み上げてきた経歴から、しがらみなく構造改革を断行することが就任直後から期待されていた。就任から約一年、複数の地域ごとにわかれていた海外事業の権限一本化や独シーメンスとの合弁会社を完全子会社化してサーバ開発の拠点にするなど、様々な改革を進行させている。赤字部門であったHDD(ハードディスク)事業売却や大規模な投資が必要な半導体の最新プロセスを他社に製造委託する方針を打ち出し、積年の課題にも手をつけた。

経営計画の説明会で野副社長は「構造改革にはボトルネックだらけだが、それでも前に進むしかない。事業の整理整頓は今後も続け、富士通を一言で語れるようなわかりやすい会社にしたい」と今後も事業の整理・縮小を持続する方針をあらたにした。

新中計達成には、柱の情報サービスの飛躍が欠かせない。さらに頭打ちの国内市場からの依存脱却も必要だ。12年3月期に海外売上比率40%超を目指すが、現時点では30%強と伸び悩んでいる。野副社長は常々、プロダクトなしにサービスだけで海外進出は難しいとして、機器販売とITサービスの両輪で展開していく戦略を強調している。新中計の成否は「箱ものを売って、周辺機器、ミドルウェア、サービス、ネットワークを売る」(野副社長)循環が思惑どおりに進むかにかかっている。

(麻田 真衣)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
連本2009.03  4,692,991 68,772 15,052 -112,388
連本2010.03予 4,750,000 72,000 52,000 15,000
連本2011.03予 4,900,000 83,000 63,000 20,800
連中2008.09  2,453,782 38,542 29,078 4,633
連中2009.09予 2,200,000 -50,000 -60,000 -65,000
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
連本2009.03  -54.4 8 
連本2010.03予 7.3 6 
連本2011.03予 10.1 6-8 
連中2008.09  2.2 5 
連中2009.09予 -31.4 3 

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