学童期に受けた性犯罪、どう向き合えばいい 受けたそのとき、魂が死に、時間が止まる

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【りさママからのコメント】

ああ、お二人かと思ったら、お一人がお二人になってるのね。そちらの、泣きべそかいてる小さいお嬢さんにははちみつ入りのココアでいいかしら? クッキーあるわよ? おねえさんは、葛根湯のお湯割り? 養命酒のほうがいい?

……こういうねえ、性犯罪って、受けたときにいったん殺されてるのよね。魂が。だからこうやってその時のまま、一人が二人に分裂しちゃうのよねえ。分裂しちゃったらもう一回統合しないとならないんだけど、これがちょっと厄介でね。なかなか一人じゃ統合できないのよ。だから、専門家の力を借りるのがいいんだけども。

あたしは高校時代にDV受けていたんだけど、まあその時はいろいろあってねえ。性的な虐待もあったし。路上で殴られてメガネふっ飛ばされたり、腹殴られてうずくまったり一晩中背中を殴られ続けて仰向けで眠れなくなったこともあったわねえ。しっかり脱力しておくと痛みが少ないってその時実地で覚えたのよ(苦笑)。

だから、私のかたわらにも高校時代のままで時間が止まっちゃって育たない人が一人いたのよ。

起こったことは消せない。なら、どうするか

これを育てて、もう一回統合したのが、今のあたしなのよ。結構な手間がかかったわー。あんな目にあわなければもっと楽しかっただろう、どうしてあんなのと付き合ったのか、とかとか、たらればの話をいーっぱい、考えたわねえ。だけど、起こったことはもう消せない。

あったことは、あったこと。なかったことにはできない。じゃあ、どうするのか。

育たなかった自分の言い分をちゃんと聞いて、気が済むまでよしよししてやって、それで、「もういいわ、だいじょうぶ。」って言うまで一緒にいたのよね。そしたら、ちゃんとわたしは”一人前”になったのね。

そうなるまで気が済むまで泣かないとね、お嬢ちゃんは。その時怖かったのに泣いてわめいて助けてもらいたかったのに助けてもらえなかったから、パキっと凍っちゃったみたいになってたわけだから。ね。温かくなって溶けてちゃんと、その隣のおねえさんと同じ年になるまで育たなきゃならないからね。プリンとかもあるわよ? 食べる? いちごのケーキのほうがいい?

おねえさんのほうは……そうね、似たような悩みを持っている人とお話してみるのもいいことよ。しばらくここで飲んでて。たぶん、誰かいらっしゃると思うから。

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若林 理砂 鍼灸師・アシル治療室院長

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わかばやし りさ / Risa Wakabayashi

1976年生まれ。鍼灸師・アシル治療室院長。高校卒業後に、鍼灸免許を取得し、エステサロンの併設鍼灸院で、技術を磨く。早稲田大学第二文学部卒。2004年、アシル治療室開院。現在2年先まで予約が埋まるほどの人気を集めている。著書に『からだの教養12ヵ月 ~動き美人になる食とからだのレシピ 』、『安心のペットボトル温灸』がある。
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