「会社勤め」を辞める前に熟考するべきこと 夢を追って独立した人が失ったものは大きい

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ストラウドは大成功した。だが、彼のように会社を辞めて好きなことを仕事にすると、大きなリスクと向き合うことになる。ひとつは、定期的にもらえる給料がなくなり貯金がなくなるというリスク。もうひとつは、仕事の安定性を失うというリスクだ。

多くの人は、給料の良い、安定したキャリアを捨てて新たなことに挑戦しようとは考えないだろう。特に、資産や十分な貯金などの備えがない場合には。

「事業資金は貯金でまかない、自宅を担保に小企業向けの融資も受けた」とストラウドは言う。「怖かったが、『今しかできない』という気持ちになると、その怖ささえも受け入れられる」。

菜食主義者向けファストフード店を開業

債券の営業マンだったロバート・コックスは、いま2度目の転機を迎えている。40歳になった2000年に、コックスはウォール街を離れて、ロング・アイランド島の裕福な避暑地のハンプトンズで不動産業を始めた。妻とともに住宅を買っては、リノベーションをしていったのだ。しかし、2012年に夫妻は離婚。コックスは再びキャリアを変えようと考えた。

彼は、2000年に完全な菜食主義者になった。ところが、マンハッタンに戻ると、完全菜食主義者向けの手軽で良質な食事がなかなか見つからない。ここから、彼は完全菜食主義者向けのファストフード・チェーン、「Vバーガー」のアイディアを思いつき、2015年の秋には最初の店舗を開くに至った。

コックスによると、彼の新しいキャリアは、ファストフード業界の未開拓のニッチ市場を掘り起こすことを狙ったものだったが、同時に、動物を食べないという博愛主義的な側面にも動かされたという。

「レストランが必ずしもうまくいく事業でないことはわかっている」とコックスは言う。「だから、その場合の計画を立てておくと安心だ。私にはいざという時の蓄えがある。それでも、ある程度の期間で利益が出せるようになったら、気持ちがずっと楽になるはずだ」。

金銭面での失敗を恐れて、事業を始めるリスクを取ろうとしない人は多い。

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