伊藤理佐夫婦、子育てでまともな生活になる 吉田戦車×伊藤理佐夫婦の「産後対談」(3)

拡大
縮小

伊藤:あと親になって変わったのは、我慢する、待つことを覚えたことかな。仕事柄、人を待たせることが多かったけど、子どもが産まれてから待たされることが増えた。子どもが遊んでいる間も、おっぱい飲み終わる間も、常に待たされて…。歴代の担当編集者さんたちに仕返しをされてる?呪われてる?と疑うほどですよ。この年で、そんなことができるようになったのが、ステップアップなのかダウンなのかわからないけど、やっと普通の社会人になれたかな?と。

我慢する、待つことが増えた

吉田:家族で動物園に行ったときも、「かわりばんこでウォーキングしようよ」って言うと、「見てるから行ってきていいよ」って、遊具コーナーで遊んでいる娘をずーっと待ってたよね。その間にこっちは動物園を3周ぐらいして。

伊藤:ああいうところにいる他のお母さん、普通に待ってるんだもん。

吉田:辛抱強くなったよね。遅くに産んだ子というのもあって、「いま一緒にいなきゃ損だ。目を離したらあっという間にでかくなっちゃう」って言っていたこともあったしね。

伊藤:私ももう40代半ばだし、吉田さんも52だし、娘が成人する頃は老人だねぇ。

吉田:できるだけ娘に介護されないように長生きしなきゃ、っていうのはやっぱり強く思う。同世代で死んでいく人も結構いるから、減塩を心がけたりはしています。あと20年、できれば30年は元気でいたいね、お互い。

伊藤理佐
漫画家。1969年生まれ、長野県出身。2010年、第一子出産。87年、『月刊ASUKA』に掲載された「お父さんの休日」でデビュー。2005年、『おいピータン!!』で 第29回講談社漫画賞少女部門受賞。06年、『女いっぴき猫ふたり』『おんなの窓』など一連の作品で第10回手塚治虫文化賞短編賞受賞。代表作に、『やっちまったよ一戸建』『なまけものダイエット』『おかあさんの扉』など。
吉田戦車
漫画家。1963年生まれ。岩手県出身。1985年、雑誌のイラスト等でデビュー。1991年、『伝染るんです。』で第37回文藝春秋漫画賞を受賞。代表作に『ぷりぷり県』『火星田マチ子』『まんが親』『おかゆネコ』、エッセイ集『吉田自転車』『逃避めし』などがある。2015年、一連の作品で第19回手塚治虫文化賞短編賞を受賞。

 

※プロフィールは記事掲載時点の情報です。

(編集/山上景子 文/樺山美夏)

赤すぐnetみんなの体験記の関連記事

朝寝て昼寝て夜も寝て…恐るべし眠気づわり!そして神対応の夫に感謝 by 内野こめこ
『君はすごくよくやってると思うよ』面倒がり屋の夫のレアな言葉に救われた
お互いに対する気持ち、そして夫婦円満の秘訣とは。矢沢心さん×魔裟斗さん夫婦インタビュー
 

 

赤すぐnetみんなの体験記

「赤すぐnetみんなの体験記」はリクルートの「赤すぐ」「妊すぐ」編集部が運営する、妊娠・出産・育児の体験記サイト。全国の妊婦さん&ママ・パパが、セキララな実話を毎日書き込んでくれています。

妊娠・出産を通して、すべての女性は自分の体と心の変化に、嬉しさと同時にたくさんの戸惑いを感じるものです。「みんなの体験記」はそんな不安を抱えた女性たち、そしてそれを支えるパートナーが駆け込める場所です。
1人1人の先輩ママの経験を価値ある情報として提供し、赤ちゃんのいる暮らしがハッピーになるよう応援します。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT