以旧換新(都市向け買い換え補助金政策)で気を吐く中国テレビメーカー
商機到来とばかりに、家電量販店が以旧換新をアピールしているかと予想していったところ、意外やまったく”以”の字も見当たらないくらいあっさりしたもの。以旧換新を目当てに物色に来たと思われる客も見当たらない。店内に見える客の数は下手すれば片手で数えられるほどだ。通常、家電商戦の閑散期にあたる今は、以旧換新をもってしてもやはり閑散期のままであった。「以旧換新」を店で展開しているのは、ライバル店のないエリアでの永楽電器の店舗だけであった。
■「以旧換新」でも閑散とした量販店の店内
詳細が不明だったエコポイントですら、家電商戦を盛り上げる効果を見せる日本とは、ずいぶんと様子が違う。やはり、エアコンや冷蔵庫、テレビは、中国では、現地の月収の1カ月から数カ月分にもなる”高額商品”に変わりはない。いくら補助が出るとはいえ10%にとどまっており、気軽に買い換えられるものではないのだろう。
また、中国では家電量販店は、基本的にはメーカーに対する場所貸し商売になっている。日本のように仕入れて売るわけではないので、量販店主導で販促キャンペーンをするインセンティブはあまり働かない。
こうした事情もあって、家電量販店の店頭の盛り上がりはもうひとつ、といったところ。だが、それでも、補助金が商売に直結する中国地場家電メーカーは、俄然、ヤル気を見せている。
特に薄型テレビの販売には、大いに力が入っているようだ。ハイアール、創維(Skyworth)などの中国の地場メーカーは、各社とも薄型テレビ販売ブースでこぞって以旧換新キャンペーンを行っており、各社販売ブース前ではそれぞれが以旧換新キャンペーンのポスターを掲げ、以旧換新キャンペーンのチラシを用意していた。量販店街から離れたスーパーの店先で、野外の特設売り場を設けているメーカーもあった。