民主党、低調な党大会は参院選苦戦の前兆か "野党勢力の結集"とは程遠い状態
鈴木氏は鈴木宗男氏の長女で、2012年の衆院選に北海道7区から新党大地の公認候補として出馬し、自民党の伊東良孝氏に敗れている。だが2014年の衆院選では民主党の公認を得て、伊東氏に225票差まで迫り、比例区で復活当選した。
もっとも鈴木氏の自民党への鞍替えは、かねてから永田町では囁かれていたことだった。鈴木氏の父の宗男氏は昨年12月28日に官邸に入り、安倍晋三首相と面会したが、この時に鈴木氏の民主党離党と自民党入党が話し合われたと言われている。
鈴木氏は細野豪志政調会長が領袖を務める自誓会のメンバーであるため、「細野氏も一緒に民主党を離党するのではないか」との噂も流れた。細野氏は昨年11月11日に前原誠司氏や維新の党の江田憲司氏と会合し、民主党と維新の党が解党して新党を結成することに合意したことが発覚したが、それ以来、岡田代表にうとんじられ、党内での細野氏の影は薄くなる一方だ。政調会長会見で北海道5区の補選に鈴木氏を応援に派遣するのかと尋ねられた時、細野氏は態度を鮮明にできなかった。
自虐ポスターも流し目ポスターも不評
民主党内では、次期参院選に向けて作成したポスターも不評だ。まずは1月27日に発表した「民主党は嫌いだけど、民主主義は守りたい」という自虐ポスターだが、翌28日の参院議員総会でも早速、「あんなのは使いたくない」との声が相次いだ。
そこで党大会では自虐ポスターを封印し、代表である岡田氏が流し目を送るポスターばかり貼ることになったが、その岡田氏のポスターも、実は好評ではない。「目が泳いでいるようだ」との批判がある。岡田氏本人も気に入っているわけではなく、参院選前に全部作り変えるのではないかとも囁かれている。
このように民主党には内向きになっている事実が多いが、一番の内向きは代表である岡田氏本人かもしれない。岡田氏が次期参院選で目標に設定したのは、「与党やおおさか維新などの9条改正勢力の議席数を3分の2未満に抑えること」だ。しかしそれでも、民主党にとってはハードルが高いかもしれない。2013年の参院選で、わずか17議席しか獲れなかったからだ。
前回の衆院選から1年余りしかたっていないのに、すでに衆参同日選の噂がある。また自民党の若手議員には選挙準備を整えるように指令が出たとの話もある。そのような中で支持率が回復しないままの民主党は、どう戦っていこうというのか。いずれにしろ、2016年は本格的な政局の年になるだろう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら