GMの再建猶予は60日、劇薬服用のシナリオ

米政府は3月30日、GM(ゼネラル・モーターズ)とクライスラーが要請していた追加支援の最終判断を「先送り」する方針を発表した。両社が提出した再建計画の実効性が不十分だと判断。GMには60日以内の計画見直しを、クライスラーには30日以内に伊フィアットとの提携合意に基づく再建計画の提示を求めた。

「自動車産業が消滅することをわれわれは放置できないし、してはならないし、することはない」

オバマ米大統領は演説でこう述べたうえで、米連邦破産法(チャプター11)適用の可能性を示唆した。「企業がバラバラにされて売却される会社清算・整理や、長年かかるような通常の倒産ではなく、速やかな外科的方法によるバンクラプシー・コードの適用が最良かもしれない」。

雇用を維持しつつソフトランディングを目指していたはずの民主党だが、ここに来て大きく舵を切った格好だ。GMにとっては、昨年12月に政府によるつなぎ融資を受けてから公的支援下での自主再建の道を探ってきただけに、大統領の破産法適用発言の意味合いは大きい。

企業再生の武器

チャプター11を適用すれば、速やかに大胆な債務カットができるうえ、労働協約を破棄して人員削減をしたり、協約を改定して賃金や年金給付等を減縮することができる。これはいわゆる「レガシーコスト」(負の遺産)の切り離しにつながる。

この3カ月間、GMが繰り返してきた延命策は、絆創膏(ばんそうこう)で傷口をふさぐだけの“バンドエイド・プラン”だった。それに対してチャプター11適用は、まさに「抜本的な外科手術のようなもの。企業再生の強力な武器になりうる」(元産業再生機構産業再生委員長の高木新二郎・野村証券顧問)。これほど短期間で大掛かりな作業は「アウト・オブ・コート(裁判所外)ではできず、ほかに選択肢はない」と高木氏は指摘する。

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