通信設備世界2位に台頭、中国・ファーウェイ(華為技術)の光と影

ファーウェイがなぜ世界で急成長できたのか。最大の武器がコスト競争力にあるのは間違いない。しかし、ただの安売りメーカーととらえるとその強さの本質を見誤る。

ケニアから見えてくる強みの「問題解決力」

アフリカ・ケニアの首都ナイロビから50キロメートル離れたマサイ族居住区。この地の通信を支えるのが、ファーウェイ製の携帯電話基地局だ。

アフリカ諸国の中でも経済成長が著しいケニアでは、携帯電話の需要も急増していた。ただ、その普及には電力インフラの未整備という大きなネックがあった。多く残る未電化地域ではディーゼル発電によって通信基地局を稼働させる必要がある。ところが、燃料が盗まれたり、高温で劣化したりするため、基地局の安定稼働は難しかった。

こうした過酷な条件を抱えたケニアの大手通信事業者サファリコム向けに、ファーウェイは太陽光と風力の二つの自然エネルギーによる発電機能を搭載した基地局を開発。これをディーゼル発電と併用することで、天候や季節にかかわらず安定稼働を可能にした。さらに、輸送費を含めた燃料費用や設備メンテナンス費用を90%以上削減した。結果、サファリコムは従来よりも大幅に低いコストで通信インフラ網を急速に拡大できたのだ。

ファーウェイはこのほかにも、治安の悪いメキシコの事業者には防弾仕様の設備、ロシアでは零下数十度にも耐えられる耐寒仕様の設備などを開発している。つまり、ファーウェイはインフラ設備そのものではなく、各国の通信事業者に対し「問題解決策」を提供することで急速な成長を遂げているといえる。


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