「文系出身」を恥に思う若者に与えたい処方箋 一番大事なのは「普通の人」に寄り添えること
これからは「基本的には」理系の時代
読者の皆さんもお感じになっておられる方も多いのではないかと思うのですが、「理系的センス」を持った人を、多くの会社が望むようになっています。昔、ビル・ゲイツが「ギーク(ひとつのことをオタク的に極めていくような人。主に理系専門職を想定)には優しくしなさい。彼らの下で働く可能性は高い」と言ったという話がありますが、既に現実はそういう世の中です。
人事のようなヒューマンな仕事でさえ、「人事エンジニア」「人事データサイエンティスト」などと呼ばれるような職種が出てきました。採用選考や評価、配属など、これまで人の感性で対応していたようなことを、何らかの形できちんとデータを取って、それを分析して対応していくようになっています。
それどころか、それを人間ではなくAIがやってしまうような時代にもなってきていますので、そのAIのコントロールできるようなレベルの人でなければ、今まで自分がやっていた仕事を奪われてしまう可能性すらあると、多くの人が薄っすらと不安に思っているのではないでしょうか。
ただ、そもそも「文系」「理系」という分け方自体が風化してきています。心理学はアメリカでは理系的な学問と思われていますが、日本では文系学問と思われています。心理学は実際にはさまざまな実験を行いますし、そこでは統計学を駆使しますので、まさに「理系的センス」は必要です。経済学でも大変難しい数学を使いますし、社会学でも同様です。