USENの今8月期は人材事業が失速、カラオケなども厳しく営業益減額、最終赤字継続も
USENが今2009年8月期業績予想を大幅下方修正した。今期初頭の業績説明会席上で、宇野康秀社長は新年度は計画数値を必達したい、と決意を語っていたが、未曾有の経済危機、景気減速の影響でその決意も水泡に帰したようだ。
修正後の売上高は2200億円で、従来計画比600億円減、前年同期比615億円減。同営業利益75億円は、計画比75億円減、前年同期比49億円減。16日発売の「会社四季報」では、会社計画に未達感があるとして、今期営業益予想を120億円まで引き下げていたが、今回の減額幅はそれをさらに上回った。「東洋経済オンライン」もひとまず会社修正値に予想数字を合わせる。
なお、最終損益は変動要素が大きいことを理由に会社側は予想を開示していない。不採算事業や非コア事業の売却を進めており、その進捗次第で特別損失を計上する可能性はある。ただ、金額的には前08年8月期に計上した減損規模には至らず、「東洋経済オンライン」は今期は50億円程度の最終赤字(前年度は最終赤字539億円)と予想する。
今回の修正の要因として、いちばん大きいのは利益率の高い人材紹介事業の不振だ。年末需要にカラオケ新商材投入が遅れた、という失敗もあった。GyaOなど映像事業は分社化で採算改善を狙っているが、広告収入が冷え込んでいる。ISP事業の売却によるマイナス影響もある。頼みの有線は比較的安定しているが、景気悪化で飲食店の新規出店が減り、それに伴って新規顧客獲得が進まず、弱含みで推移しているもようだ。
USENは、人材事業を中心に大幅な人員スリム化、不採算事業の撤退を計画している。来10年8月期はこうしたリストラ効果で営業益好転が見込まれるが、改善幅は小幅にとどまると「東経オンライン」は予想する。今後は資本・業務提携を結んだ光通信<9435>との合弁事業(2月設立)で、具体的な成果を挙げられるか、その可否が業績を左右することになる。有線やカラオケなど、主力事業の収益力向上も改めて課題となりそうだ。
《東洋経済・最新業績予想》 (百万円) 売 上 営業利益 経常利益 当期利益 連本2008.08 281,577 12,428 6,335 -53,908 連本2009.08予 220,000 7,500 0 -5,000 連本2010.08予 230,000 9,000 2,000 900 連中2008.02 137,623 3,693 -1,051 -10,496 連中2009.02予 116,000 500 -3,000 0 ----------------------------------------------------------- 1株益\ 1株配\ 連本2008.08 -394.1 0 連本2009.08予 -24.2 0 連本2010.08予 4.4 0 連中2008.02 -76.8 0 連中2009.02予 0.0 0
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