OKIは11年ぶりに社長交代、だが来期業績は今期より悪化へ
OKI(沖電気工業)は12日、川崎秀一常務が社長昇格する人事を発表した。11年間にわたり社長を務めた篠塚勝正氏は代表権のない会長に就任する。6月末の株主総会後の取締役会で正式に就任する。篠塚社長は「安定して利益をあげることが最大の責務だったが、(リストラや役員報酬カットなど)役員、一般社員に痛みを伴うことになったのが辞任の一因だ」と交代の理由を語った。
新社長に就任予定の川崎氏は20年間にわたって営業畑を歩んだ。「128年の伝統があり、NTTなどの良いお客さんに恵まれすぎ、営業部隊が甘かった。今後は言われたものを開発するだけでなく、営業がマーケットや顧客のニーズをくみ取っていく。そのために私自身、今後も営業の最前線に出向いていく」と自らの経験を生かす決意を表明した。昨年5月に半導体事業を売却してから一年近く新たな経営方針を打ち出すことができなかった篠塚社長を意識してか、「痛みを伴う選択と集中であっても、今後は実行にあたって速やかに決断することが肝要だ」と述べた。当面は「グローバルで1位になれるATMを開発する」(川崎常務)など情報通信部門の強化に務める。
ただ、足元の経営環境は非常に厳しく9日にパチンコ業界向けのモーターや電源などの部品事業が急悪化し、今2009年3月期の業績見通しを下方修正したばかり。売上高5550億円(前年同期比23%減)、営業利益5億円(同92%減)、経常損失65億円(前期は38億円の黒字)、最終損失480億円(前期は5億円の黒字)となる見込みだ。
来10年3月期の業績見通しに関して篠塚社長は「営業利益140億円を目指す」としているが、川崎常務は「ここ2~3年の市況は厳しい」と慎重視する。過去に何度も過大な業績予想を繰り返してきたうえ、来期は通信キャリアの投資抑制なども一層強まることが予想される。「東洋経済オンライン」は表記のように営業赤字に転落すると見ている。
(麻田 真衣)
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 売 上 営業利益 経常利益 当期利益
連本2008.03 719,677 6,200 -3,887 567
連本2009.03予 555,000 500 -6,500 -48,000
連本2010.03予 450,000 -4,000 -12,000 -20,000
連中2008.09 286,882 -10,575 -13,334 -35,343
連中2009.09予 210,000 -2,000 -5,000 -9,000
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1株益¥ 1株配¥
連本2008.03 0.8 0
連本2009.03予 -70.3 0
連本2010.03予 -29.3 0
連中2008.09 -51.7 0
連中2009.09予 -13.2 0
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