O2Oビジネスで始まる新時代の消費革命《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命/最終回》
O2Oは、苦境に陥ったリアル企業の1つの問題解決策になる可能性があるのだ。
ネット企業側の事情はどうか。
彼らは、O2Oビジネスへの進出に大きな期待を抱いている。従来のネット広告は、主にEコマースでの購買を促すものだった。今後は、スマートフォンの普及で、ネットとリアルの境界がますますなくなる。非常に大きいリアルの市場を無視することはできない。スマートフォンでの決済システムが普及すれば、より大きなビジネスとなるだろう。
大手ネット企業だけではなく、スタートアップ企業も、O2Oに積極的に乗り出している。クラウドの利用、ソーシャルメディアの普及、スマートフォンアプリの開発環境の充実などによって、スタートアップ企業のO2Oへの参入障壁が低くなった。ネットとスマートフォンを使いこなす“ソーシャルネイティブ”の若い世代の手によって、新しい価値を生み出すサービスが生まれるかもしれない。
最後に通信キャリア。彼らは、スマートフォンやネットワーク環境を提供することによってO2Oビジネスにかかわる。ネット企業やリアル企業と提携し、O2Oビジネスに進出することで、ビジネス領域の拡大が実現できる。通信キャリアは、O2Oの一連の消費行動すべてへかかわることに意欲的だ。
O2Oビジネス拡大のカギとなるものは何か。
消費者やリアル企業が本当に求めるサービスを提供することが大切だ。そのためには、消費者、リアル店舗、現場の店員の気持ちを理解する必要がある。
「現地に行った人に、すてきなリアルな体験を与えたい」。O2Oの成功企業で知られるネット企業、コロプラの担当者の印象的な言葉だ。消費者にとって本当に価値あるものを作ることが何よりも大切だと説く。