ベンツはなぜここまで日本で強くなったのか 15年ぶり輸入車首位奪還の意味を読み解く

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日本ではマーケティングや広報畑で活躍した上野金太郎氏が現地法人の社長に就任し、スーパーマリオやエヴァンゲリオンといったキャラクターを活用した、新しいマーケットへ向けたマーケティングを積極的に実施し成功を収めた。F1グランプリでの圧倒的な活躍ぶりも、AMGユーザーをはじめパフォーマンスを求める人々には強い追い風として働いているに違いない。

明確には見えない今後の成長戦略

さまざまな要素が相乗効果を生み、現在、絶頂にある日本のメルセデス。彼らはこれからも順調に成長を続けていくのだろうか。

メルセデス・ベンツ日本がアイドルグループPerfumeを起用したTVCMは、iPhoneアプリとも協調。老舗ブランドとしては斬新なマーケティング戦略が新しいユーザーを掴んでいる

来年初のデトロイト・ショーでのお披露目が有力視されている新型Eクラスは、従来型の前例から考えれば夏前にも日本に導入されるだろう。

好評のCクラスと基本を共通とするプラットフォームであれば、価格的にも無理ない線に収まるだろうし、成功作となるのは疑いない。その派生モデルが順番にモデルチェンジし、「GLE」や「GLC」といったSUVラインナップも充実していくことを考えれば、来年以降も当分は安泰だろう。

とはいうものの、現行A/CLA/GLAクラスでいわば「降臨」が隅々まで完了してしまったメルセデスにとって、ここより下へはもう降りる階段がないのも事実。また、かつてメルセデスが本当に高級車だったころを知る世代の人々も、徐々に減っていく。F1だっていつまで勝ち続けるかはわからない。成功の裏側で、メルセデスの舵取りを担う人々はいま、頭を悩ませている最中に違いない。

真田 淳冬 コラムニスト

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さなだ きよふゆ / Kiyohuyu Sanada

メーカーはじめ自動車業界に長らく籍を置き、1950年代から現代に至る世界中のさまざまな乗用車をドライブした経験を持つ。歴史、経済、技術といった分野をまたぐ広い知見を買った東洋経済オンライン編集部が独自に著者として招いた。

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