リンカーン弁護士(The Lincoln Lawyer)--法律は映画の味方か《宿輪純一のシネマ経済学》

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ところで、映画の世界は、われわれの日常のビジネスとは違う慣行がある。たとえば、映画の企画というのは、製作を始めてから資金の回収まで3年なり、それ以上かかることもある。つまり、運転資金が基本的にショートするというビジネス構造を持っている。

そのため、実は、映画を製作して、4本に1本程度は公開直前に転売して、キャッシュを前倒しで入手する。そうじゃないと運転資金がショートする。日本の金融の仕組みでいえば、手形割引と同じ仕組みである。この場合、製作の映画会社名を、看板をすげ替えるように直前にまったく入れ替えるのである。このときの転売価格の見極めが、映画ビジネス上で大変重要な能力となる。

ミック弁護士が本拠とするロサンゼルスのハリウッド。言わずと知れた映画業界のメッカであるが、この「映画業界」では、法律問題が大変に複雑に絡む。しかも動くおカネが大きいだけにより注意が必要となる。1本の映画にかかわる法律書類で、通常1部屋は埋まり、企業のM&A関連の法律書類よりも多いといわれている。



© 2010 LAKESHORE ENTERTAINMENT GROUP LLC And LIONS GATE FILMS INC. ALL RIGHTS RESERVED.

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事