国内2輪車販売回復へ販売店と“新契約”。ホンダが意地のテコ入れ

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販売店と新たな取引契約を締結

そしてもう一つが、販売などソフト面の強化だ。今年1~4月には、免許を新たに取得してバイクを購入する顧客に対して最大6万円をキャッシュバックするキャンペーンを、ホンダ直営全店で初めて実施。また毎月のようにツーリングイベントを企画し、バイクファンの拡大に努める。イベントではツーリングスポットにホンダのバイクオーナーが無料で使えるカフェも設置。山梨県の山中湖湖畔に5月設置したカフェには、約650台のバイクオーナーが集結した。参加台数は年々増えているという。

ホンダでは14年から、同社の2輪車取り扱い全店と新たな取引契約を結ぶ。専売店網が整備されている4輪車と異なり、2輪車は複数のメーカーを扱う併売店が多く、規模も大小まちまち。その中で新契約を結ぶことにより、取扱店が最低限実施すべきアフターサービスや顧客サービスを明文化する。

たとえば顧客がバイクを購入した店でなくても、ホンダの扱い店に持ち込めばどこでも修理に応じる、といったことを可能にする。修理や整備にあたる店舗スタッフの資格取得もさらに促進する。

コミューター領域でシェア7割目指す

今後の2輪車市場について、井内社長は「今がボトム。現状の年45万台水準を維持することは可能」としたうえで、「新機種投入を増やし、圧倒的なシェアを実現したい」と意気込む。特に現在55%のシェアを握る125cc以下のコミューター領域では「13年度までにシェア65%、将来的に70%を目指す」(同)。

国内の2輪車を取り巻く環境は決して楽ではない。だが、世界シェア約3割とトップを走るホンダにとって、ホームグランドの低迷をいつまでも放置しておくわけにはいかない。世界トップの意地をかけた戦いが続く。

(並木 厚憲 =東洋経済オンライン)

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