栄光ホールディングスの株主総会は会社提案のみ可決。注目が集まる筆頭株主・進学会の今後

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 株主総会の後、進学会は14時30分からグランドパレス内で会見を開き、「議決権行使に関して不備がある」として会社法311条4項に定められている、議決権行使書面の閲覧請求を行ったと説明。

進学会側の説明によれば、会社提案については賛成の意思表示は拍手を求めたのに対し、反対の意思表示の場合は起立と記名を要求。「そのような措置は必要なかったのではないか」と平井睦雄会長は説明した。

また、栄光側から指摘されている、利益供与や強圧的な言動については「まったくのでたらめ」と全面否定をし、返す刀で「栄光に対して法的措置も検討する」と話した。なお、今後、栄光株を売却するのか、買い増すのかについては「現段階では話せない」と明らかにしなかった。

一方の栄光も15時30分からグランドパレス内で会見を開いた。会見の場には近藤好紀社長(写真左)と関田美三男副社長、是枝正隆取締役といった従来の栄光の経営陣に加え、新たに増進会から選任された、秋山哲治取締役と佐藤紀史夫取締役も出席した。

会見の場では進学会との提携解消について質問が集中した。近藤社長は「進学会から、含み損の補填に関する要求があった」ことを認めた。近藤社長の指す、「含み損の補填」とは進学会の栄光株取得にかかわる含み損のことを指している。当時425円であった栄光株を650円で進学会が取得。足もとは480円前後であることから、含み損は10億円以上にものぼるとみられている。

両者の売上高規模を比べれば、栄光が400億円以上である一方、進学会が80億円にも満たない。にもかかわらず進学会が約29%もの栄光株保有に至ったのは、栄光の創業者である北山雅史氏の保有する株を「佐鳴予備校」などを展開する「さなる」が取得。栄光の支配権獲得に向けて、さらなる買い増しをもくろむ「さなる」に対してホワイトナイトの要請を受け、「進学会」がさなるから栄光株を引き受けた経緯がある。

進学会側の思惑は、栄光とZ会によって達成されずに終わったが、依然、29%を持つ筆頭株主であることには変わりない。今後、進学会が栄光株を買い増すのか手放すのか。その挙動に注目が集まる。

(伊藤 崇浩 =東洋経済オンライン)

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