東大を抜いた「学費・家賃タダ」の大学の正体 海外に出て気づく「日本の大学の未来は暗い」

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文部科学省が火消しに追われた文系廃止、コピペした論文で博士号を得た小保方事件、G(グローバル)型・L(ローカル)型大学など、「日本の教育は本当に大丈夫か?」、「日本の教育だけでグローバル人材になれるのか?」、「いっそのこと、海外の学校に子どもを進学させようか?」と思われる方も多いのではないだろうか。

東大の最大のライバルであるNUSで学んだいま、はっきりといえる。「日本の大学の未来は暗い」と。

今回はハーバードではなくシンガポールでの体験から、日本の大学がアジアの大学にさえも負ける理由を取りあげたい。

資金はどこからやってくるのか

みなさんは「そんな簡単に奨学金をもらえるの?」と疑問に思うだろう。そもそも海外の奨学金は無償の給付型で日本のような借金ではない。確かに多くの大学では一部の人しか奨学金は支給されない。だが、私が学んだNUSのリー・クアンユー公共政策大学院では「留学生の半分が奨学金を受けている」という。

なぜNUSは気前がいいのか?

同級生の中には派遣元からの補助、地元の奨学金を受けている生徒もいた。そういった生徒を除いた同級生に限ると、私の課程では多くが同校の奨学金を受けていた。実際に「この学校はとても気前がいいからね」と学校長が語っていたほど余裕がある。

資金はどこからやってくるのだろうか。提供元をたどると海を越えた華僑のネットワークが浮かんでくる。

たとえば私は東南アジア有数の金持ちといわれたシンガポールの李光前の財団から計500万円を受けていた。ルームメイトはアジア1の金持ちともいわれる香港の李嘉誠の財団から。ほかにも台湾の張栄発(海運、航空業を営むエバーグリーン〈長栄〉・グループの創業者)やインドネシア系華僑など、おカネの先をたどると世界でも有名な中華系の富豪があがる。しかも学校側がグローバル規模で生徒を集めようと外部から資金を調達してくるため、奨学金はかなり充実していた。11月にも中国と台湾の首脳会談を仲介するなど、華僑が人口の7割を占めるシンガポールならではのおカネの集め方だ。

在学中に受け取ったのは奨学金だけはない。1週間のインド旅行にもタダで行かせてくれた。

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