揺れるオリンパス、資本提携にジレンマ

揺れるオリンパス、資本提携にジレンマ

粉飾決算事件で財務体質が悪化しているオリンパスの資本提携先をめぐり、さまざまな思惑が交錯している。年明け以降、ソニー、パナソニック、富士フイルムホールディングス、テルモなどが浮上。6月上旬に「パナソニック優位」と一部報道されたが、他社も含めて交渉は継続し、大詰めを迎えている。

オリンパスは事件の責任を取り4月下旬に経営陣を刷新。メインバンクの三井住友銀行出身の木本泰行会長、生え抜きの笹宏行社長の下、海外を中心とした2500人超の人員削減や今後のV字回復に向けた中期経営計画をまとめ、6月8日に記者会見した。

当初予定していた資本増強の具体策については「想定していたよりも検討に時間がかかっている」(笹社長)と話すのが精いっぱい。別の幹部は後日、「世の中が許してくれるのであれば、(資本提携を)急ぐ必要はない」と語った。

その言葉の裏には資本提携と自力再建で揺れる胸の内が見え隠れする。2012年3月期の決算は売上高がほぼ横ばいの8485億円、営業利益は前期比7・5%減の355億円と底堅く、事件による内視鏡やカメラへの販売影響は限定的だった。一方で、財務の健全性を示す自己資本比率は3月末にわずか4%台に低下。事業での不測の損失やリストラなど合理化費用が膨らめば債務超過もチラつく水準だ。

資本提携に関する発表がないとわかると株価が下落するなど、市場の動向も無視できない。

複数社の出資も浮上

提携先として浮上するパナやソニーもジレンマを抱えている。

オリンパスは、自己資本比率の短期的な改善目標として10%を掲げており、500億円程度の資本が必要だ。だが、パナ、ソニーともテレビ事業の不振などで業績が大幅に悪化。リストラを進めている最中でもあり、巨額出資する余裕はない。

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