補聴器を使わない難聴者は9割弱 "聞こえづらさ"を放置しがちな社会に「cocoe Ear」が放つ一手
AirPods Proにヒアリング補助機能が加わった時に実感したのだが、30~50歳ぐらいの中年層でも意外と難聴を抱えている人はいる。「実は片耳が聞こえないんだ」という話をいくつも聞いた。ただ、視覚の機能低下などと違って、他人が気付きにくいかもしれない。たとえば、物理的な衝撃、精神的なストレス、大きな音によるもの(職業的な騒音や、大音量イヤフォンの常用、ライブ・クラブなど)などが聴覚にダメージを与えることがある。
また、難聴は当人も自覚しにくい機能低下でもある。
周囲の人は、「あれ? 聞こえてない?」と思っても、当人はなにしろ聞こえていないのだから気付きようがない。先ほど医学的なデータとしては75歳以上だと約70%だと書いたが「難聴だ」と自覚している人は約40%と言われる。「老いを認めたくない」ということも含め、このあたりが難聴に対する対応が難しいポイントでもある。
見落としてはならないのは、難聴は認知症リスクを高めるということだろう。
厚生労働省も難聴は認知症の危険因子のひとつとして挙げているし、ジョンズ・ホプキンス大学の研究によると、軽度難聴で約2倍、中等度で約3倍、重度で約5倍、認知症リスクが上がる。つまり聞こえが悪いほど認知症リスクは飛躍的に高まるのだ。補聴器などで聞こえるようになると、リスクが抑制されるのかどうかはまだ検証中のようだが、補聴器を使うことで認知症の進行を遅らせることができるという説が有力なようだ。
つまり、高齢化にともない聞こえづらい人は急速に増えつつあり、聞こえないまま放置しておくと、認知症リスクが高まるということだ。今後多くの人が難聴になり、その影響で認知症の人が増えるとすれば、必然的に社会保障にかかるコストは増すことになる。これはもう国家的な喫緊の課題かもしれない。
日本人は補聴器を使いたがらない傾向にある
これほど聞こえづらさを抱えている人は増えているのに、日本の補聴器使用率は低い。難聴者で補聴器を保有している人はわずか14.4%(JapanTrak 2018)。これは欧米の30~42%に比べて驚くほど低いと言える。



















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