「お団子ヘアとTシャツ姿」に賛否も…チームみらい・安野貴博党首の《"異端な"ビジュアル戦略》が、意外と多くの支持を集めた背景
その文脈で見ると、安野氏のスタイルは、旧来の序列とは距離を置くものだ。
完全なフォーマルでも完全なカジュアルでもない“中間領域”に身を置くことで、制度の内側に入りつつも、永田町の論理に染まりきらない姿勢を示唆しているとも受け取れる。
もちろん、この外見に対する評価は分かれる。
「若い世代に近い」「多様性の象徴」という肯定的な評価がある一方で、党首討論にTシャツ姿で現れた姿を見て「公職者にふさわしい規範性を欠いている」「有権者や議場という公の場を軽んじている」という批判もある。
ちなみに、安野氏が髪の毛を長く伸ばしているのは、病気の子どもたちが使う医療用ウィッグに髪を寄付する「ヘアドネーション」のためだという。
ヘアドネーションという正当な理由があってもなお、批判的な声が上がるのは、有権者がリーダーに対して依然として「予測可能性」や「制度を背負う重み」を求めている表れでもある。
ここで注目したいのは、有権者が安野氏に「何を託せるか」という期待値の変化だ。もし彼が典型的な政治家の装いや髪型をしていたならば、短期間でこれほどの支持を得られたかは疑わしい。
金や権力、派閥に象徴される「永田町の空気」から距離を置く、視覚的な「差別化戦略」があったからこそ、政治に閉塞感を抱いていた層との接点が生まれたのである。
「オードリー・タン」という先例
国際的に見れば、外見の自由度がリーダーシップと矛盾するわけではない。
台湾の元デジタル担当相、オードリー・タン氏は、長い髪を蓄えた中性的な風貌という、既存の政治家像とは対極のスタイルを貫いた。
しかし、タン氏が保守層からも信頼を得たのは、圧倒的な実績があったからだ。コロナ禍でのマスク配布システムの構築など、技術で市民の課題を即座に解決する姿が、「外見への違和感」を「実力への確信」へと塗り替えたのである。


















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