"勝率9割の人"でも投資で負けてしまう数学的理由、資産7億円を築いた投資家が重視する「期待値」の真実
では、これを投資の世界に置き換えてみよう。ここに、AとB、2人のトレーダーがいるとする。
勝率:90%(10回中9回も勝つスゴ腕!)
平均利益:1万円(コツコツと利益を積み上げる)
平均損失:10万円(1回の負けで大損してしまう)
勝率:40%(10回中6回も負ける、ヘタなトレーダーに見える)
平均利益:10万円(勝つ時は大きい!)
平均損失:3万円(負ける時は傷が浅い)
期待値 =(1万円×0.9)−(10万円×0.1)= 9000円−1万円=−1000円
期待値 =(10万円×0.4)−(3万円×0.6)= 4万円−1万8000円=2万2000円
直感的に勝率90%のトレーダーAのほうが儲かると思わなかっただろうか。ただ、実際のところトレーダーAは、勝率はすごく高いが、たった1回の負けでそれまでの利益を全部吹き飛ばしてしまう。僕はこれを「コツコツドカン」タイプと呼んでいる。
トレーダーAは期待値がマイナスだから、トレードを続ければ続けるほど、悲しいことに資産は減っていく運命にある。ほとんどの投資家が、実際にはこれに当たる。
株式投資は勝率100%を目指すゲームじゃない
一方、勝率の低いBのほうは、ダメなトレーダーに見える。しかし、期待値を計算するとどうだろう。期待値は、なんとプラス2万2000円だ。1回トレードするごとに、平均して2万2000円の利益が見込めるということだ。
勝率は低くても、負けを小さく抑え(損小)、勝ちを大きく(利大)伸ばせば、トータルで見ると、着実に資産を増やしていけるのだ。
株式投資は勝率100%を目指すゲームじゃない。いかにして期待値がプラス、つまり「自分に有利な勝負」の土俵「だけ」に上がり続けられるか? を考えるゲームだ。これが株式投資の本質だといえる。
だからこそ、目先の勝ち負けに一喜一憂してはいけない。長く株式市場で生き残っているトレーダーは、自分のトレードが長期的に見てプラスの期待値を持つかどうか、その一点だけを冷静に見つめて売買しているんだ。
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