"勝率9割の人"でも投資で負けてしまう数学的理由、資産7億円を築いた投資家が重視する「期待値」の真実

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

では、これを投資の世界に置き換えてみよう。ここに、AとB、2人のトレーダーがいるとする。

トレーダーA 
勝率:90%(10回中9回も勝つスゴ腕!)
平均利益:1万円(コツコツと利益を積み上げる)
平均損失:10万円(1回の負けで大損してしまう)

 

トレーダーB
勝率:40%(10回中6回も負ける、ヘタなトレーダーに見える)
平均利益:10万円(勝つ時は大きい!)
平均損失:3万円(負ける時は傷が浅い)

 

トレーダーA
期待値 =(1万円×0.9)−(10万円×0.1)= 9000円−1万円=−1000円

 

トレーダーB
期待値 =(10万円×0.4)−(3万円×0.6)= 4万円−1万8000円=2万2000円

直感的に勝率90%のトレーダーAのほうが儲かると思わなかっただろうか。ただ、実際のところトレーダーAは、勝率はすごく高いが、たった1回の負けでそれまでの利益を全部吹き飛ばしてしまう。僕はこれを「コツコツドカン」タイプと呼んでいる。

トレーダーAは期待値がマイナスだから、トレードを続ければ続けるほど、悲しいことに資産は減っていく運命にある。ほとんどの投資家が、実際にはこれに当たる。

株式投資は勝率100%を目指すゲームじゃない

資産7億円の父が子どもに伝えたい 本当のお金持ち入門
『資産7億円の父が子どもに伝えたい 本当のお金持ち入門』(大和書房)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

一方、勝率の低いBのほうは、ダメなトレーダーに見える。しかし、期待値を計算するとどうだろう。期待値は、なんとプラス2万2000円だ。1回トレードするごとに、平均して2万2000円の利益が見込めるということだ。

勝率は低くても、負けを小さく抑え(損小)、勝ちを大きく(利大)伸ばせば、トータルで見ると、着実に資産を増やしていけるのだ。

株式投資は勝率100%を目指すゲームじゃない。いかにして期待値がプラス、つまり「自分に有利な勝負」の土俵「だけ」に上がり続けられるか? を考えるゲームだ。これが株式投資の本質だといえる。

だからこそ、目先の勝ち負けに一喜一憂してはいけない。長く株式市場で生き残っているトレーダーは、自分のトレードが長期的に見てプラスの期待値を持つかどうか、その一点だけを冷静に見つめて売買しているんだ。

上岡 正明 経営者・個人投資家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

かみおか・まさあき / Masaaki Kamioka

1975年生まれ。3歳で母親を失い、小学校から家出を繰り返す。それも警察に保護されるまで誰も探しに来ない寂しい幼少期だった。放送作家を経て、27歳で株式会社フロンティアコンサルティングを設立。200社以上の企業ブランド構築を行う。一方で、元手200万円でスタートした株式投資では、リーマンショックと東日本大震災という2度の破算危機を持ちこたえながら独自の手法を確立し、投資歴25年で資産6億円に到達。MBAを保有し脳科学の研究も行っている。『死ぬほど読めて忘れない高速読書』(アスコム)、『最強の高配当投資』(SBクリエイティブ)など著書多数。「チャオ!」の挨拶から始まるYouTubeチャンネルは登録者数26万人に上る。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事