当時、政府は困窮世帯への支援を急ぎ、税収は落ち込んだ。(20年に始まった)コロナ禍では、停止した経済活動と急増する医療費への対策支出で債務残高の水準が切り上がり、上昇する金利は経済成長率を上回るようになった。
その後も各国の債務残高は減少せず、国際通貨基金(IMF)によると今では先進7カ国(G7)のうち6カ国で、国家債務が年間の国内総生産(GDP)、つまり国家の経済規模と同等かそれを上回る水準となっている。人口動態と低成長の板挟みになる国が増えているのだ。
ヨーロッパや日本では高齢化によって政府の医療費と年金費用が膨れ上がる一方で、必要な税収を生み出す働き手の数が減っている。
債務がGDPの138%に達するイタリアでは医療、教育、公共サービスの削減による歳出抑制の試みが、フランスでは年金支給開始年齢の引き上げによる歳出抑制の試みが激しい抗議活動を引き起こした。
予算をめぐって政治的な膠着が何カ月も続くフランスは、昨年秋に国債格付けを引き下げられ、国家財政の安定性に疑問が投げかけられるようになっている。


















