TVを見ながら調べ、冷蔵庫が献立を考える—— AI+家電で、家の中でのスマホの役割を変えようとしているサムスン

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この「Samsung Health」のデータも将来はスマート家電と連携し、「睡眠不足なのでこの食材を使った料理がおすすめ」とか「ストレスが多いのでこの動画を見るのがいい」などのリコメンドをしてくれるようになる。これらの機能はまだコンセプトだが、商用化される時期は早くやってくるだろう。

ヘルスケアデータ
将来は家電にヘルスケアデータが活用される(筆者撮影)

スマホトップが率いるスマート家電

サムスン電子の家電事業を率いるTM Roh氏は、20年から同社のスマートフォンを含むモバイル部門のトップとして事業拡大を進めてきた。この間に折りたたみスマートフォンを積極的に市場投入するなど、スマートフォンの市場に大きな影響を与えた。

同氏は25年11月にスマートフォンだけではなく、コンシューマー製品すべてを管轄するデバイスエクスペリエンス部門の事業部長、そして兼任として同社CEOに就任した。スマートフォンを牽引してきた人物が家電を総合的にみるポジションへ就いた人事は、家電がハードウェア中心のプロダクトから、ソフトウェア更新やAI機能の進化を前提としたスマートデバイスへと構造的にシフトしていることを象徴していると言える。

TM Roh氏
TM Roh氏はスマホ部門から家電全般のトップに就任した(筆者撮影)

TVがスポーツ中継をよりエキサイティングなコンテンツに進化させ、冷蔵庫が食材に合わせた最適な献立を提案する。「Your Companion to AI Living」というテーマが示す通り、AIが黒子として日々の生活に溶け込み、あらゆる家の中の機器が知能を持つ未来が現実のものになろうとしている。サムスン電子がスマートフォン市場で培ったスピード感とソフトウェアの知見が家電に融合することで、我々の生活はより真に「スマート」なものへとアップデートされていくに違いない。

山根 康宏 携帯電話研究家・ジャーナリスト

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やまね やすひろ / Yasuhiro Yamane

香港在住。石油化学企業の製造・研究・国際貿易業務を経てからフリーのジャーナリストに転身。中国および海外のスマートフォンや通信事情に精通。取材範囲は自動車、スマートシティー、インダストリー4.0、リテール、デザイン、材料まで幅広い。年の大半を海外市場の市場調査および海外展示会・発表会取材に当てており、脚で稼いだ情報を武器とする。大手IT系メディアに定期的に記事を執筆するほか、海外通信事情などの講演も積極的に行う。

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