12月米利上げまでは「手仕舞い売り」が賢明 ドル高基調が終了し激動の時期を迎える
今のところ、減産決定は市場のメインシナリオではないが、12月のOPEC総会での電撃的な減産合意の可能性も否定できない。減産合意をきっかけに、コモディティ相場の反撃が始まるかも知れない。今後1カ月の市場は、歴史的転換を迎え「激動の時期」となるだろう。そのきっかけは為替相場の転換である。ドルのピークアウトが確認されれば円高リスクが日本株に重くのしかかる。つまり、これまでの日本株を押し上げてきた円安による輸出企業の業績拡大への期待が剥落するのである。
円高進んだ場合の日経平均適正レベルは
ドル円は、米利上げの2カ月前から徐々に上値が重くなり、1カ月前までにピークをつける傾向が明確である。12月15~16日開催のFOMCで利上げ決定となるのであれば、ドル円はすでにピークをつけていることになる。過去の利上げ局面では、ドル円は利上げまでにピークから2%下落しており、今回のケースでは今後1カ月で121円から120.50円程度まで下げる計算になる。さらに米利上げ後には5カ月程度調整し、メインシナリオで108円、最大で102円まで円高が進むとの計算になる。
アベノミスク相場が始まって以来、円安・日本株高の相関がきわめて高いが、この相関を利用すると、ドル安・円高が108円まで進んだ場合の日経平均株価の適正レベルは1万6050円、102円の場合には1万4500円となる。しかし、過去の米利上げ時にこのような大幅な下げにはなっていないため、企業の円高対応力が企業業績ひいては株価を下支えるのだろう。
日経平均株価は利上げ時から2000円程度の下げにとどまり、9月29日につけた安値の1万6901円を下回る可能性は低いと考えられる。日本株は、通常は米利上げまでは堅調に推移し、実際に利上げが決まってから下落する傾向がある。そのため、12月のFOMCまでに下げた場合でも、あくまでテクニカル調整にとどまると考えられる。本格的な調整は、やはり米利上げ後になると考えるのが妥当であろう。
このように考えると、今後は株価が戻したところは買い増しではなく、戻り売りあるいは手仕舞い売りを行い、利上げに向けて徐々にポジションを軽くするのが賢明ということになる。利上げをきっかけに株価が下落すると考えれば、下げたときに買えるように、今後1カ月間の戻り局面では手仕舞い売りを進め、投資資金の確保を行いたい。今後1週間(19~25日)の日経平均予想レンジは1万9350円~1万9850円とする。
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