富士通PCが40年越しに個人向け市場でトップシェアを獲得。その背景にある迅速な意思決定と企業風土改革とは
実際、FCCLのPCの平均単価は、他のブランドに比べても高い。
全国の家電量販店などのPOSデータを集計しているBCNによると、Windows搭載PCを販売しているPCメーカーのなかで、最も平均単価が高いのがFCCLであり、市場全体に比べて約2万円も高い水準で推移している。
25年11月のノートPCの平均単価では、市場全体が12万7700円であるのに対して、FCCLの平均単価は14万8000円と、2万300円も高く、最新データとなる25年12月のノートPCの平均単価でも、市場全体が13万1000円であるのに対して、FCCLの平均単価は14万2800円と、1万1300円高い。25年の1年間で、最も平均単価が高いPCメーカーとなっている。
製品が持つ付加価値が評価されたうえでのトップシェア獲得であり、個人向けPC市場において、しっかりとした地盤を築くことに成功したともいえる。
スピードを優先する狙いとは
一方で、レノボ流ともいえる経営手法も持ち込んだ。
その最たるものが、意思決定のスピードを高めることだ。
もともと富士通の仕事の仕方を継承していたため、集団で物事を進めたり、合議制で決定したりといったことが多く、結果として会議の数が多くなる状況を生んでいた。また、100点指向が強く、1割の不確かなことがあると、そこを突いて、現場に差し戻すため、解決に多くの人と時間を割いて対策を練ることが繰り返される土壌もあった。
「合議制が前提となっていたり、100点満点を目指したりといった仕事のやり方では、時間が多くかかるだけでなく、文句を言うにもかかわらず、誰も責任を取らなかったり、現場が挑戦したいという意欲を削ぐことにもつながっていた」と、大隈社長は指摘する。
社内では、毎月1回、2~3時間にわたり、幹部社員を含む約150人がオンラインで参加する会議を実施していたという。だが、その会議で話をするのはわずか数人で、参加者全員がカメラをオフにして、話を聞いているだけの状況だった。「給与が高い社員ばかりが集まっているにもかかわらず、こんな会議の仕方をしていていいのか」と大隈社長は疑問視し、悪しき文化の象徴として、同会議の見直しから着手した。
さらに、25年1月に発表した若年層向けに開発した「FMV Note C」においては、紙のマニュアルを廃止することを決定したが、ここではスピードを優先した意思決定を行った。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら