富士通PCが40年越しに個人向け市場でトップシェアを獲得。その背景にある迅速な意思決定と企業風土改革とは

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とくに、軽量モバイルノートPC分野においては、14.0型ノートPCとして634gを実現したFMV Note Uシリーズ「UX-K3」によるインパクトが大きく、これがシャワー効果となり、「軽量ノートPC=FMV」という印象が定着。持ち歩きをしたいという個人ユーザーに最適なPCとして評価されている。

FMV Note U UX-K3
世界最軽量モバイルノートPCのFMV Note U UX-K3(筆者撮影)

首位にこだわる体質への転換

では、なぜ、FCCLは、40年以上にわたって達成できなかった個人向けPC市場でトップシェアを獲得できたのだろうか。そこには、この数年にわたる企業風土の改革が見逃せない。

その陣頭指揮を執ったのが、レノボグループ出身で、21年4月に、FCCLの社長に就任した大隈健史氏だ。

社員の大半を富士通出身が占めるなかで、従来からの良い文化は維持しながら、レノボ流の経営手法を組み合わせ、社内改革に取り組んできた。その成果がトップシェアにつながっている。

FCCLの大隈社長は、「もともとトップシェアを取れる実力を備えていた組織ではあったが、そこに向けた意識が低かった」と振り返りながら、「2025年は、製品力と営業力の両輪がしっかりとかみ合った。世界最軽量ノートPCをはじめとするモノづくりと、長年にわたって培ってきた日本全国を網羅する販売網およびサポート網を生かし、そこにトップシェアを獲得するという強い意志が加わったことで、力を最大限に発揮できるようになったことが大きな変化である」と自己評価する。

変遷はあったものの、40年以上にわたる歴史を持つFCCLにとって、トップシェアにこだわらなくても、PC事業が継続できるという思考が染みついていたのは確かだ。

大隈社長は、トップシェア獲得を明確な目標に掲げ、特定領域でトップシェアになったことや、瞬間風速でもトップになったことを社内で共有。さらに、個人向けPC市場全体で、1位との差が少しずつ縮まっていることも随時報告した。

富士通クライアントコンピューティング
富士通クライアントコンピューティング 代表取締役社長の大隈健史氏(筆者撮影)

「小さな成功を共有したことで、それが社員の自信につながり、製品力や営業力がさらに強化され、次の成功につながるという循環を生み出せた」

そして、安売りではなく、実力値で獲得したトップシェアであることも重要だ。

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