学校での「暴力行為」18.2%増で過去最多、なぜ"中1"が最も多いのか…余白を生み出す「支え合い」と「引き算」の視点が必要

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暴力行為発生件数の推移
学年別 加害児童生徒数
(出所)文科省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」

例えば、「関係性」の欲求に対する環境不全を考えてみましょう。現在の子どもたちは、コロナ禍による制限の中で、他者と相互作用しながら社会性を育む経験を十分に積みにくい時期がありました。

ピアジェ(Piaget, 1947)の発達段階でいえば、「具体的操作期」から「形式的操作期」へ移行する時期に当たり、現実的な対人関係の試行錯誤を通じて社会性が伸びる局面でもあります。その時期に、対面で他者と十分に関わる経験を十分に持てなかった影響は、無視できません。

次に、「自律性」についてです。思春期初期は、自ら意思決定をしたいという欲求が高まる時期です。ところが中学校では、教科担任制や時間割、評価、集団の安全確保など、学びと生活の枠組みが大きく変化します。

子どもたちにとっては、それまで以上に管理や評価を求められていると感じてしまうのも無理はありません。「つながりたいのに、うまくつながれない」という関係性の欠乏と、伸びようとする自律性を支えきれない苦しさが重なると、行き場のない衝動を適切にコントロールできなくなるのも、想像に難くありません。

「コントロール(管理)」から「サポート(支援)」へ

このミスマッチを解消するためには、まず私たち大人自身が「指導の枠組み」を転換する必要があります。

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