プーチン氏の娘が莫大な資産を築いていた 台頭するロシア新エリート層

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同じ企業が、イノプラクティカのウェブサイトでパートナー企業として挙げられている。シブールの広報担当者は、イノプラクティカに資金提供はしておらず、アドバイスを行っていると説明した。ノバテクはコメントを差し控えた。

チホノワ氏とキリル・シャマロフ氏の関係をめぐる憶測は今年に入って表面化。RBCとカシン氏は1月、2人が一緒にスイスを訪れたとそれぞれ伝えていた。

チホノワ氏がスイス旅行中に、自身をキリル氏の「配偶者」であると認識していたことを、ロイターは独自に確認した。

キリル氏は莫大な財産を持っている

キリル氏はフランス南西部にあるリゾート地ビアリッツに豪華な別荘を所有している。公的記録によると、この別荘はプーチン氏の友人であるティムチェンコ氏が所有していた。ティムチェンコ氏と妻は別荘取得のため、フランスで2007年に不動産会社を登記。しかし3年前、別荘を所有する同社の株をキリル氏に譲渡した。だが、その価格は公表されていない。

フランスの別荘はキリル氏の膨大な財産のごく一部にすぎない。同氏は2008年、シブールの株式4.3%を取得。その6年後には、ティムチェンコ氏からさらに17%を取得して取締役に。計21%超を保有しており、3人のアナリストによると、これは約20億ドル、もしくはそれ以上の価値があるという。

キリル氏が株購入にいくら支払ったかは公表されておらず、資金をどこから調達したのかも明らかではない。同氏は8月に行ったコメルサント紙とのインタビューで、株は市場価格で買い、そのために金を借りたと語っているが、その額は明らかにしなかった。同氏の広報担当者もこの件についてコメントを差し控えた。

一方、シブールの広報は「会社の規則に従って、管理職や取締役会メンバーの私生活にはコメントしない」と語った。

ティムチェンコ氏の広報はフランスの別荘に関してはコメントを拒否した一方で、キリル氏への株売却は「市場価格での取引」だと述べた。

このように台頭するロシア新世代と比べ、プーチン氏は公開された資産を見る限り、中流層にとどまっている。大統領の報道官は、黒海沿岸の「プーチン御殿」として知られる豪華な別荘が、同大統領のために意図して建てられたわけではないと繰り返し述べている。

同別荘の建設には、プーチン氏の娘が「配偶者」だと語るキリル氏の父親、ニコライ氏が一部資金提供している。

(原文:Stephen Grey、Andrey Kuzmin、Elizabeth Piper 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

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