プーチン氏の娘が莫大な資産を築いていた 台頭するロシア新エリート層

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社会学者で、与党「統一ロシア」の元メンバーであるオリガ・クリシュタノフスカヤ氏はロイターに対し、次の世代がプーチン氏の現側近の立場を継承し、政治や国有企業において「新たな上流層」が台頭していると指摘。「多くの人は、そうした人たちが本当はどのような人物なのか疑問に思っている」と語った。

一方、ロシア野党勢力指導者の1人であるアレクセイ・ナワリヌイ氏は、政治や大企業を支配する恐れのある「新封建制度」と表現。「子は親の地位だけでなく、望む地位なら何でも選べる権利をも受け継ぐ。重要な資源のすべてが、5から7つの一族に牛耳られる日が遠からず訪れるという危険をはらんでいる」と指摘する。

ロイターは、カテリーナ・チホノワ氏がプーチン氏の娘なのか、また、キリル・シャマロフ氏と結婚しているのかなど、クレムリン(ロシア大統領府)に書面で問い合わせた。これに対し、ペスコフ大統領報道官は以下のように答えた。

「チホノワ氏に関する、もしくは貴社が書面で言及していたような他の個人に関する私生活、家族関係、配偶者の有無、学術活動、特定のプロジェクトへの関与、家系について、われわれは何ひとつ情報を持っていない。近年、プーチン氏の家族関係、特に娘たちに関する大量のゴシップが流れている。正確な情報の量はばかばかしいほどに少ない」

有能な研究者

カテリーナ氏は、父親のプーチン氏が2000年に大統領に就任してから、公の場にほとんど姿を見せていない。プーチン氏は2011年、カテリーナ氏についてサンクトペテルブルク大学で東洋学を専攻し、日本語と歴史を学んだと、テレビ局の取材で語っていた。

成長したカテリーナ氏について、他にはほとんど知られていなかったが、ジャーナリストでブロガーのオレグ・カシン氏が1月にカテリーナ氏がモスクワ大学で活動しており、祖母の姓に由来するチホノワを名乗っていると伝えた。

ガスプロムバンクのアキモフ氏同様、大学関係者2人がロイターに対し、チホノワ氏はプーチン氏の娘だと認めた。

モスクワ大学のウェブサイトによると、カテリーナ氏は工学・数学学部に所属。チホノワの名で2011年以降、他の研究者らと共に数学の教科書や少なくとも6つの論文の著者に名を連ねている。

大学は声明を発表し、その中でチホノワ氏が「有能な研究者」だとした上で、「職員の私生活についての情報はない」としている。

チホノワ氏はまた、同大学に関連する「国立知的開発基金(NIDF)」と「国立知的財産センター(NIRC)」という2つの機関で責任者を務めている。この2つは若手科学者支援を目的とするプロジェクト「イノプラクティカ」を運営している。

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