「何となく志望校を選んだ」という子も…超複雑化する大学入試、後悔しない"進路選択"のために「意思決定」の方法を学んでおきたいワケ
ここからは少し、子どもたちの進路選択の現場で起きていることをお話ししたいと思います。
都内の私立高校に通う高校3年生さくらさんのケースです。
さくらさんは成績もよく、高3になると早々にA大学への学内推薦を獲得しました。ただ、さくらさんには実はB大学という第1志望があり、総合型選抜で受験したい気持ちが日に日に高まっていきます。思い切って先生に打ち明けたものの、「総合型選抜だと先生が指導するのは難しいな。専門の塾に行ったほうがいい」と言われてしまいます。
さっそく「総合型選抜に強い」とうたう塾を探しましたが、どこも学費は年間200万円を超えます。推薦を蹴ってまで親にそんな負担をかけていいか悩んださくらさんは、結局第1志望をあきらめました。
この話を聞いて、皆さんはどう思いますか。「さくらさんがかわいそう」というのはまあ当然として、家族に受験生世代がいないかぎり「総合型選抜って何?」「今は総合型選抜用の塾なんてものがあるわけ?」といった疑問が先に立った人が多いかもしれません。
それもそのはずです。実際、今の入試(入学者選抜といいます)は非常に多様化し複雑化しています。それも、学校の先生たちが対応できなくなるほどに、です。
昔は、付属校からの内部進学を除けば、一般入試か推薦入試の2択でした。現在は大きくわけて一般選抜(昔でいう一般入試)、学校推薦型選抜(昔でいう推薦入試)、総合型選抜の3択になっています。
進路選択もセルフサービス化
総合型選抜がわからないという人も、AO入試は聞いたことがあるでしょうか。大学・短大・学部・専門学校側が求める学生像(アドミッション・ポリシー)に合った人物を採用するアドミッション・オフィス入試の略称ですが、2021年度入試からこれが総合型選抜という呼び方に変わっています。
総合型選抜は、単に願書を出せばいいというわけではありません。主体性や多様性、協働性について活動してきたことを中心に、自己PRや志望理由書を用意しなくてはなりません。
選考方法がバラエティーに富んでいるのも特徴でしょう。書類審査や面接だけでなく、小論文、プレゼンテーション、英語検定や漢字検定の成績を加味する学校もあります。こうした複雑さから、総合型選抜の特別対策コースを設置する塾が増えているのです。

















