｢究極のエコ暖房｣と累計1億円のヒット！　《着る暖房･モモンガ》を生み出した"社員3人の会社"が示す｢異端ビジネス｣の勝算

累計1億円を販売と、ヒットシリーズを作った坂井社長。アパレル企業で働いていた時期と比べて「儲かっているか」と単刀直入に尋ねた。

しかし全盛期を知る坂井社長は、現在の業界の厳しい現実を指摘する。

「そもそもアパレル業界全体が沈んでいますからね。時代ごとのトレンドがなくなりつつあるし、明るい話題がない。大儲けなんて言えないけど、好きなものが作れて楽しいですよ」

カラーは3色展開。不使用時は、写真のようにクッションとして置いておくこともできる無駄のなさ（写真：株式会社ファーブル提供）

誰もが手にしなくてもいい

誰もが簡単に手に入るほどの大量生産でなくてもいい。本当にほしいと思ってくれる人の手に渡ってくれたら、それでいい。世間を驚かせ、ユーザーとともに商品を磨き上げる行程が何よりだ。「面白くて役立つものを作る」ことこそが、坂井社長にとって最大の成功なのだろう。

次は夏用の商品に意欲を見せる。

「今考えているのは、男性が気兼ねなく持てる日傘です。毎年酷暑が続いていますし、本当は持ちたいのに、抵抗がある男性が多いと思う。その壁を破る日傘を提案してみたいですね」

「着る暖房」という異端なアイデアを実現した坂井社長。年々、しんどくなっていくあの夏の酷暑対策にも期待したい。

とはいえ今は真冬。モモンガ入手に乗り遅れてしまった筆者だが、次に見かけたら必ず手に入れたい。雨の降る寒空の下、そう決意した。

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