「究極のエコ暖房」と累計1億円のヒット! 《着る暖房・モモンガ》を生み出した"社員3人の会社"が示す「異端ビジネス」の勝算
モモンガは、ほぼクラファン専売。すでに25年分は受注が終了しており、年明けにクラファンで再販が予定されているものの、実は現時点で手に入れるすべがない。
「メディアで紹介されるたびに問い合わせがあり、興味を持っていただいた人には申し訳ないのですが、今のところ販売チャネルを増やす予定はありません」坂井社長はそう話す。
「いつか」と先延ばしにせず、出会えたら買う。量販店やECで、いつでもどこでも買えるものが増えた今、前のめりに買おうと思える体験は買い物の楽しみを教えてくれる貴重なものかもしれない。
家族と仲間で回す「内輪」経営の強み
ファーブル社は、前述の通り、坂井社長を含めたった3人の小さな会社だ。メンバーは経理を担う妻と、前職の仲間、そして坂井社長である。
クラファンの販売ページの商品を撮影するカメラマンと、商品ページを書くライターは、旧い知人。また、撮影モデルは社員自身や坂井社長の家族が務めており、まさに身内総動員で実行している。
少人数だからこそ、意思決定と改善が圧倒的に速い。小規模なことは、会社の強みとなっているようだ。
モモンガがヒット商品となったことで、市場には類似品が多数登場した。大手ECサイトを検索してみると、そっくりな模倣品が並ぶ。その多くが本家より安価な価格で売られている。
名称の「モモンガ」は商標登録しているものの、似たような商品を違うネーミングで販売されては、対処が難しいのが現実だ。ある程度は諦めていると語る坂井社長だが、むしろ不安なのは、粗悪なコピー品が出回ることで、顧客が離れていってしまうことだ。
「せっかく興味を持ってくれたお客さまが、“思ったより暖かくないな、動きにくいな”って感じてしまうのは残念ですよね」



















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