「想像以上に老朽化進んでいた」 「築70年超のボロボロ団地」なぜ満室? 入居者の"意外な用途" 90万円で団地を落札したオーナーに聞いた"仕掛け"
さて、築70年以上でありながら、入居率100%となった大人気の団地が北九州市門司区にある。1951年に建設された「旧畑田団地」だ。今は「門司港1950団地」という名称でも呼ばれている。部屋ごとに用途はさまざまで、カフェを開こうと考えている人や学生が卒業制作として改修している部屋もあった。
「団地の再生」のあり方や、ストック(既存・中古)建築物の活用促進を見据えた、リノベーション(大規模改修)とコンバージョン(用途変更)のあり方を考えるうえで、大変貴重な事例と考えられるため、ここで詳しく紹介したい。なお、以下ではリノベーションとコンバージョンをひとくくりにして「改修」と表現する。
「空き団地」が90万円で落札された
旧畑田団地は、JR門司港駅からは徒歩20分程度の場所にある。同駅周辺は、明治から昭和初期にかけて建築された歴史的な建物が今でも残っており、「門司港レトロ」と称される観光地だ。駅から団地の間には、1954年(昭和29年)から続く商店街「栄町銀天街」などがあり、エモーショナルな雰囲気が漂っている。
同団地は福岡県住宅供給公社によって建設されたもので、鉄筋コンクリート造のA棟(4階建・24戸)と、コンクリートブロック造のB棟(2階建・10戸)の2棟からなる。公社は、建築寿命を70年と定めていたことから入居募集を停止。最後の住人が退去した後は「空き団地」となっていた。
2024年2月に県が土地建物を合わせて売却を試みたが、初回の入札には応札者が現れなかった。同年6月の再入札で、吉浦ビル(福岡市中央区)が約90万円で落札した。
実際に現地に赴くと、想像以上に老朽化した建物だった。現在、A棟において改修が部屋ごとに進められており、建物には改修で出たガレキもあった。外観には、コンクリートが欠けた部分や、窓の柵など金属がさび付いているところも目立っていた。B棟に至っては緑に覆われたままの状態だった。

















無料会員登録はこちら
ログインはこちら