「今仮交際をしている女性と、2度ほど会いました。もう、この方に決めようと思います」
その女性は婚活をスタートさせて、3回目にお見合いした相手だった。
その決断の速さにも筆者は驚かなかった。 なぜなら、婚活をスタートさせる前に、“結婚するのに何が決め手になるか”を明確にしていたからだ。
「結婚において大切なのは、パートナーと自然体でいられるか」
それに加えて、あきらは「この相手と未来の関係性が育つかどうか」にも着眼していた。彼が「この人で決めよう」と思った女性は、同い年の保育士で、少し緊張しながらもていねいに会話をしてくれる人だった。
お見合いを終えて、彼が言った。
「すごく自然体で話ができました。途中沈黙があったのですが、それが怖くなかったんです。価値観の方向性が同じだと感じました」
彼女の容姿が突出した美人だったわけでも、条件が完璧だったわけでもない。それなのに「彼女と結婚しよう」と決断した。それは、彼の判断軸が「条件のスペック」ではなく「自分の感覚と価値観」に置かれていたからだろう。
結婚できるかは「量」ではない
多くの決められない婚活者は、外側の条件を並べて比較し始める。
「もっと上がいるはず」「今よりいい人が……」と、無限ループに入ってしまう。 一方、あきらは条件の縛りや比較ではなく、一緒にいたときの居心地のよさと、2人の関係性が今後育つかどうかを見ていた。
選択肢が多い今の時代だからこそ、必要なのは「より良い条件の相手を探す努力」ではなく、「自分はどういう関係を相手と育てたいのか」という内側の軸を持つことだ。
その軸がしっかりしていれば、“婚活での出会い”を“人生の出会い”に変えることができるのではないだろうか。
出会いが増えた現代だからこそ、結婚できるかどうかは、出会いの量では決まらない。
自分の中で、何を大切にするのかという“自分軸”と、この人となら関係を育てることができるだろうという“決断軸”を持てるかどうかにかかっている気がする。
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