女性にも、こうしたタイプがいる。
きみえ(58歳、仮名)は23歳で自営業の夫に嫁ぎ、2人の子どもに恵まれた。しかし、下の子が中学1年のときに夫が不慮の事故で急逝した。
夫が残してくれた財産は思いのほか少なく、専業主婦だった彼女は働きに出なければならなくなった。
実家の援助もあって、なんとか2人の子どもを育て上げて、2人は無事に社会人として自立した。しかし、長年の教育費と生活費に追われ、彼女には貯金がほとんどなかった。
還暦も見えてきた年齢になると、自分の老後に漠然とした不安を感じるようになった。そこで再婚するために、婚活を決意した。
彼女が婚活に求める条件は、ただ1つ。“老後の自分の生活を支えてくれる、金銭的に余裕のある男性”と結婚すること。
最初は、無料の婚活アプリで活動したという。しかし、アプリはプロフィールの収入欄が曖昧だったり、よくよく話を聞くと記されていた年収の半分もなかったりで、300人以上と会ったものの、理想の男性には巡り合うことはできなかった。
そこで「入会時に収入証明書を提出している結婚相談所のほうがいい」と、筆者の相談所へ入会してきたのである。
ところが、彼女もまた “選べない負のループ”に陥っていた。立て続けに30人とお見合いをしたのだが、決めることができず、次々に新しいお見合いを繰り返していた。
お見合いや仮交際のときに、男性が「老後の生活資金はギリギリ」「持ち家のローンがまだ残っている」などと、金銭的な厳しさを口にした瞬間、あるいは預貯金額が少ないとわかった瞬間に、彼女は即座に、「この男性はナシ」と判断する。
きみえが追い求めているのは、「相手がお金を持っているかどうか」という条件。さらにお金を持っていたとしても、男性がそのお金に執着していたり、デートをしても金払いが悪いケチな部分が見えたりすると、そこで「ナシ」の判断を下していた。
数回で決められる人の特徴
婚活現場には、「何百人会っても決められない人」がいる一方で、「数回のお見合いで、結婚相手を決める人」もいる。これは運でも奇跡でもない。実際決められる人には、共通する特徴があるように思う。
あきら(39歳、仮名)は、大手メーカー勤務で仕事は忙しいが、人柄は穏やか。活動を開始して1カ月ほど経った頃、彼から連絡があった。



















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