基幹車種「ゴルフ」の行方や日本での展開は? CEOが話す「フォルクスワーゲン」電動化の少し先

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昨今、BEV販売の停滞が報じられることがある。しかし、シェファーCEOはきっぱりと否定した。

「ヨーロッパでフォルクスワーゲンは、電動モデルのナンバーワン・ブランドです」

フォルクスワーゲンが2025年10月10日に発表した数字によると、グループ全体でのBEVの販売は、2025年1月から9月までに71万7500台。前年同期比で42%の伸びだという。

フォルクスワーゲンがいかに日本で愛されているかがわかるイベントだった(写真:Volkswagen)

その背景には、「BEVのポートフォリオの充実ぶりがある」と同社。例に挙げられているクルマを紹介すると、以下のようになる。

余裕あるサイズの「ID.7ツアラー」「トランスポーター/マルチバン」、エッジの効いたスペインの小型車ブランド「クプラ」の「テラマール」、チェコのシュコダ「エルロック」。

さらに、日本でも発売されたアウディ「Q6 e-tron」、ハイブリッド車が登場したポルシェ「911」と、魅力的なモデルミックスであることをうたう。

筆者が以前に試乗した「Q6 e-tron」(写真:Audi)

ヨーロッパが78%増、アメリカも85%増と好調だが、中国だけは43%減。それは今後のクルマづくりの課題だろう。

「中国向けには中国車と戦えるモデルを現地で開発する必要があります」とシェファーCEOは私の質問に答えてくれた。

「ヨーロッパでBEVの需要が減速している、という報道が一部にありますが、事実ではありません。需要は伸びているけれど、“予想していたほどではない”ということです」

日本でも成功の自信あり

ID.3以来、BEVに力を入れてきたフォルクスワーゲンの方針を引き継ぐシェファーCEOは、「その戦略は間違っていなかった」と熱弁する。

メディアの取材に応えるシェファーCEO(写真:Volkswagen)

「ID.4はグローバルでナンバーワンです。私たちの戦略が正しかったということの裏付けになっています。将来の動力源は“電気になる”というのは確実で、早いか遅いかだけです」

さらにシェファーCEOは、「日本でも成功の自信がある」と言う。

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「ID.ポロ、ID.クロスは日本市場にぴったりのサイズですし、アイコニックなデザインで、ブランドの形を作ってくれるような重要なモデルになるでしょう。日本市場で未来を切り拓くため、明確なプランを立てて復活していきたいと思っています」

果たして日本のユーザーはID.ポロやID.クロスをどう受け入れるだろう。1年後にはその答えが見えてくるだろうか。

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小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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