「今の女性はルッキズム」は本当なのか? 若い世代が結婚相手に求める"本当の条件"

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
(写真:ABC/PIXTA)

結婚はお相手を選び、そして自分も選ばれる双方向の選択が働くライフイベントです。しかし、ついつい双方向であるという大事な点を忘れて自分の条件だけを並べ立ててお相手を選別・審査した挙句、結局断られてしまう、もしくは出会いに至らない、という男女が少なからずいる状況です。

もうすぐクリスマスというロマンティックなイベントが迫る今日この頃、結婚相手を探している方には、「相手はこういう人だろう」という思い込みで突き進むその前に、2021年に国が実施した大規模調査結果をもとに「今の若者は結婚相手に何を重視しているのか」を予習することをお勧めしたいと思います。

筆者は統計データを扱う研究者ですが、データが示す実態と世間で報道されている情報等の差から、人はアンコンシャスバイアスの塊で、見たいように相手を見る傾向が強い生き物だと痛感する日々です。

さて、読者が持っている「男性ってこうでしょ」「女性はこうだろう」は、実態としてはどの程度当てはまっているのでしょうか。

本当にルッキズムなのか?

2021年に実施された第16回出生動向基本調査では18歳から34歳の結婚希望がある未婚(婚歴がない)男女に「あなたは結婚相手を決めるとき、次の8項目について、どの程度重視しますか」という質問をしています。項目は、相手の学歴、相手の職業、相手の収入など経済力、相手の人柄、相手の容姿、共通の趣味の有無、自分の仕事に対する理解と協力、家事・育児に対する能力や姿勢、の8つとなっています。

そして、ここが大事なポイントですが、それぞれの項目についての選択肢は、「重視する」「考慮する」「あまり関係ない」の3つとなっています。

この調査結果が発表された際、「重視する+考慮する」を合算した割合で、イマドキの女性は相手の容姿を8割以上が重視しているルッキズムだ! とメディアで報道されていました。以降、何かと女性はルッキズムだという論調が聞こえてくるのですが、筆者は統計的に物事を考えるため、これには強い違和感(情報操作感)をもっています。

次ページ男女とも同じレベルでルッキズム
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事