「今の女性はルッキズム」は本当なのか? 若い世代が結婚相手に求める"本当の条件"
今年の話になりますが、ある中部エリアの結婚相談所でこんな事例がありました。ともに20代後半の男女で、最初は女性から熱心に男性に好意を見せており、真剣交際(ほかの方とはデートしない)状態にまで進展していました。
ただ、2人とも子どもを希望していたため、破綻しないライフデザインをしっかり意識した婚活を進めていた女性から男性に、男性の育児休業について取得できそうか、という質問がされました。男性側は「僕の職場ではまだ誰もとったことがないし、自分もとるつもりはない」と回答したそうです。女性は男性に職場を変えるつもりはないか、とさらに質問をしたため、男性側は驚いて一度は検討してみるといって持ち帰りました。
しかし、それまで熱心に女性側からきていた真剣交際だったこともあり自信があったのか、結局「やっぱり職場を変えず、育休もとらないと思う」という回答を女性にしました。その瞬間、即、交際終了となりました。女性側はそのあとすぐに30代前半の会社員男性と成婚退会となります。その男性が育休取得に非常に積極的で、具体的に話し合えたことが、20代女性側の結婚の決め手となっています。
これは決して特殊事例ではなく、女性の仕事継続を甘く見ている男性は今の若い女性との結婚は難しい、というのが現在の結婚市場のリアルです。2つ目の図表で「相手の収入などの経済力」を重視すると回答している女性が36%で1/3程度であることからも、昭和平成のように女性が男性の経済力に期待するよりも、自分で仕事をもって経済力を確保していこうという気持ちが強いことへの男性の解像度の高さが、昭和平成成婚男性と令和成婚男性の「成婚への境界線」となっているともいえるでしょう。
女性の成婚では「昭和のママ像は勝因になりにくい」が重要
専業主婦やパートが多かった親世代をみているからか、過剰に家事育児アピールをして結婚を有利にしようという女性が特に30代以上(バブル崩壊前に出生)において一定数います。しかし、今の若い男性が重視する項目を見ると、5割を超える項目の数が女性よりも少なく、「人柄」だけが約8割といった状況です。
注目の「家事・育児に対する能力や姿勢」は42%で、IBJの成婚白書のデータにおいては「家事手伝い」「パート」ステータスの女性は人気がない、という結果も出ていることをあわせて考えると、今の若い男性に対しては、昭和のママ像はそこまで勝因とならない、ということになります。ただし、女性ほど深くライフデザインを考えていない、というリスクもありますので、先述の成婚事例の女性のように、しっかりと女性側から結婚後のライフデザインを詰めておく必要性があります。
人口構造上多数派を占める40代以上の男女は特に、ついつい「かつての若者時代の価値観」から見たいように見ていっているだけの状態にないか、しっかりエビデンスを確認する癖をつけてほしいと思います。
例えば、発信者が「結婚・恋愛で~は8割」といっていたら、
〇データの回答集団はどういう集団なのか(地域・性別・所属組織などの偏りがないか)
〇データの回答母数は何人か(例えば20人では1人の回答が大きな影響をもちすぎます)
〇年齢構成は(ジェネレーションギャップが激しいため特に確認が必要)
〇割合指標だけの比較は浅すぎる(母数の影響を受けやすいので)
といった基本的な5点に注意するだけでも、結婚・恋愛に関して見えてくる世界がきっと大きく変わってくるだろうと思います。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら