伝説の編集長が直伝、会社四季報「新春号」来期先読み術。PERや重要テーマの分析を重視
「国策に売りなし」とは株式投資の格言だが、四季報では国策に基づくテーマ性も意識したい。
「蓄電」銘柄に妙味
1つは「蓄電」銘柄だ。政府は30年度に再生可能エネルギー比率(電源構成比)を36〜38%まで引き上げる目標を立てており、達成には蓄電設備の大幅な増加が必要とされている。11月21日に高市早苗政権で閣議決定された「総合経済対策」にも、系統用蓄電池などの導入支援が掲げられた。これを機に、蓄電技術を持つ企業の重要性が長期で増していくだろう。
新規参入や協業なども盛んな分野で、四季報の記事で「蓄電」に言及した件数は25年夏号で49件、秋号で64件と増加傾向。秋号では富士電機の業績欄に「蓄電システム想定以上」とあり、独自増額の根拠の1つとなっている。ほかにもダイヘンや荏原実業など大手機械銘柄の記事にも登場しており、注目テーマとして存在感を高めているとわかる。

「フードテック」も総合経済対策における重要テーマの1つだ。政府は先端技術を活用した完全閉鎖型の植物工場への投資促進を明言している。折しも、アメリカで高付加価値のイチゴを生産・販売するベンチャー企業・オイシイファームは25年、東京都羽村市に植物工場の大型研究施設を開設すると発表。大手企業との連携が続々と決まっているようだ。サカタのタネやカゴメなど種苗関連銘柄に加え、工場ロボットで協業する安川電機や空調設備に関わるダイキン工業など、多様な関連銘柄へ市場の関心が広がる可能性がある。
国が投資しようとしている分野は、行政府のホームページから誰でも見つけられる。自身で気になるワードを抜き出し、「会社四季報オンライン」などで検索すれば、今後の長期トレンドに乗りそうな国策銘柄の発掘も可能だろう。
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