伝説の編集長が直伝、会社四季報「新春号」来期先読み術。PERや重要テーマの分析を重視
なお、第2四半期決算の開示を機に、好業績な企業の多くが上方修正を発表した。こうした銘柄は四季報発売前にすでに市場で買われている場合が多いが、修正数字があまりに保守的な銘柄には、依然チャンスが潜んでいる。
上場企業には、業績予想から売り上げが10%以上または利益が30%以上乖離すると判明した際の修正開示義務がある。注目したいのは、同基準に達していないにもかかわらず、決算発表時にわざわざ上方修正した企業。その多くが半期実績で上振れした分を通期予想に上乗せしただけのパターンだ。業績減速の大きな懸念がないのに下期の業績予想を期初から変更しない銘柄は、期の終盤にかけ再び上方修正する可能性を秘めている。
1度目の修正率が低く市場の反応が小さかった銘柄は、次の増額発表時に前回ののりしろ分も含めて急動意することがある。上方修正のあり・なしだけで判断せず、修正率に着目するようお勧めする。
PERで有望株を探る
来期の活躍株を見つけるには、株価が1株当たり純利益の何倍まで買われているかを見るPER(株価収益率)を比較するのも有効だ。四季報では、チャートの隣の「株価指標」欄に予想・実績PERを掲載している。市場の関心が来期へ移る新春号では、予想PERが今期から来期にかけ大きく低下している銘柄を探してみてほしい。PERを求める式は「株価÷1株当たり純利益」。つまり、来期に予想PERが急低下する銘柄は、来期業績が急拡大するにもかかわらず、株価がそれを織り込んでいないため、割安修正が起きる(株価が値上がりする)可能性が高いことを示唆している。
例えば、昨年の新春号でラクスの25年3月期の予想PERは50.4倍、翌期予想は37.0倍だった。あくまで理論上の話だが、現状の50.4倍が妥当なPERならば、株価は約36%上昇する計算になる。実際、同社は年初から9月高値まで約50%上昇した。四季報では、まず予想PERを拾い読みするのも裏技だ。




















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