ついに!東大教授がダークマターの観測に成功か?【約5分で読める】宇宙の謎解明の期待かかる研究成果を東大生が解説
この残ったガンマ線は、ダークマターが別の粒子に変換される際に発生するものと一致しており、ガンマ線自身に強いエネルギー依存性があることからも、戸谷教授はこのガンマ線をダークマター由来と解釈可能であると結論しました。
これからの展望
上記のようなダークマターが存在するのであれば、ダークマターの正体を解明できただけでなく、既存の物理学理論を大きく進展させることになります。
しかし、疑問点もいくつか存在しており、この点に関しては戸谷教授も論文中で指摘をしています。
そのうちの一つは、「反応のしやすさ」が若干理論予想よりも大きく出ていること。
これにより、他の研究結果や宇宙全体のダークマターの存在量と整合性が取れない部分もあるが、現状の素粒子物理学理論や暗黒物質分布の不確かさを考慮すれば、明確に矛盾しているともいえない状況です。
ここの部分に関しては今後の研究によってさらに詳しく検証をしていく必要があります。
結論として、ダークマターの質量や反応のしやすさに大まかな「当たり」をつけることを行った本論文は物理学を進歩させるきっかけとなることは間違いがなく、追検証を経てより確固たる詳細な証拠を観測することが望まれています。
私たちは今、夜空に浮かぶ黒を解き明かす時代を目の当たりにしているのです。
協力:東京大学大学院理学系研究科 天文学専攻 戸谷友則教授
参考文献
東大によるプレスリリース「暗黒物質がついに見えた!?」
戸谷友則. (2025). 20 GeV halo-like excess of the Galactic diffuse emission and implications for dark matter annihilation. arXiv preprint arXiv:2507.07209.
Planck Collaboration. (2016). Planck 2015 results-XIII. Cosmological parameters. Astronomy & Astrophysics, 594, A13.
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら